5月5日は、子どもの日です。
毎年、この日付に先立って「子供の数」というのが発表されています。
2023年4月1日時点で、1435万人。42年連続の減少ということです。
さもありなん、という結果ではあります。
コロナ禍の影響もあるとはいえ、少子化、人口減少というのはいよいよ大きな問題となってきています。
日本の人口が急速に減少しつつあるというのは、ちょっと前にも書きました。
この状況を解消するためには、縮小のサイクルをどうにかしなければならない、と。
それはつまり、負のサイクルを断ち切り、正のサイクルを回すということです。
「経済の好循環」なんていうことは、もうこの十数年さんざんいわれてきたわけですが、実現しているとはいいがたいでしょう。
それはやはり、負のサイクルのもっとも根本的な原動力を放置しているからだと思われるのです。
つまりは、非正規雇用に代表される、「削る」という発想です。いわゆるデフレスパイラルの出発点はここだと思うのです。そこを放置していれば、お金をいくら刷ったところで正のサイクルにはつながらないということが、この十数年の壮大な実験で証明されたといえるんじゃないでしょうか。
反論が出るでしょうからもう少し補足すると、ここでいうのは、まったく効果がないということではありません。しかし、多少の効果があったとしても、デフレスパイラルのモーメントに抗するのに十分ではなく、よくて相殺ぐらいにしかならないのではないか。たとえていえば、下りのエスカレーターをダッシュで駆け上るようなものです。いくら猛ダッシュしても、エスカレーターの下りの速度が速ければ、同じところをほとんど動かないような状態になるでしょう。ときどきちょっと登れたように見えても、少し息切れするとまたずるずる下がっていくという……そんなわけで、異次元緩和を延々やり続けても、生活実感としては、果たして効果があったんだろうかと首をかしげる程度のものにしかならないわけです。
どこかで本格的に路線転換しなければ、この国はますます衰亡していくでしょう。