ロック探偵のMY GENERATION

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トランプ大統領の非常事態宣言

2019-02-16 10:45:16 | 時事
アメリカのトランプ大統領が、非常事態を宣言するといっています。

公約としていたメキシコ国境の壁建設が進まないため、非常事態を宣言して、国防予算の一部を壁建設に転用するというのです。

これはもう、ダメでしょう。

私はあまり詳しくないんですが、アメリカでは過去にも何度か非常事態宣言が出されているんだそうで、それと比べれば自分がやっていることは濫用にはあたらない……とトランプ大統領本人はいってるそうでうす。

しかし、問題はそれでやろうとしていることのばかばかしさですね。

壁なんか作ったところで、最初から不正に突破する気があれば、突破する方法なんていくらでも考えられます。意味がないんです。その無意味な政策を意地になって実現するために、非常事態を宣言する……もう無茶苦茶です。
ていうかそもそも、費用はメキシコが払うっていうことになってたんじゃないの? いや、まあ払うわけないんだけど。払うわけがないし、払わせる方法もありえない。で、どうにもならなくなって、はい非常事態――あほらしすぎて、話になりません。

今回の件は、非常事態宣言などというものが、いかに恣意的に利用されるかということを如実に示しているように思えます。

思えば、戦前の日本には緊急勅令なんてものがありましたが……こういう、国会やなにかの制約が及ばない権限は、ろくなもんじゃないですね。
世の中には、そういう超法規的な権限の必要性を唱える人もいますが、弊害のほうがはるかに大きいと私は思います。
かつて日本には緊急勅令というものがあって、国会で可決することができなかった法案を天皇の権限で実質的に法律にすることができたわけですが、悪名高き特高警察がこの緊急勅令を利用して作られたりもしています。
そういう権限を認めると、ろくなことがないんです。
今回のアメリカでの非常事態宣言は、そのことをはっきりと教えてくれているんじゃないでしょうか。


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