「発泡スチロールの苗床」
日本ムラサキは発芽の難しい種子であると思い続けて来た。
しかし、条件が揃えば多くの種子が発芽する。
条件の1つは冬期間に一定期間、低温保存する事である。(3週間 0℃)
冬期間に限らず、結実したと思われる9、10月頃でも、低温保存は可能である。
この時期はまだ気温が高いので、低温保存の終えた種子はパック内でも
多数の種子が、勢い良く発根してくる。
昨年11月16日の記録である。
採取した種の発芽試験をパック内発根方法で実施。
白いのは根である。根が先に出て芽が出る生態である。
ちなみに、綿毛状の細根は土の中で周囲に附着する為の物で
これを支えに、殻を持ち上げて地上部に出て殻の帽子を落として双葉が開く。
根は直根で双葉の頃には4cmを越える。
発芽状況は、この時期が最適ではと考える様になっている。
10月以降に発芽した種は地域にもよるがハウス内で育苗となる。
翌春に露地への定植して、晩秋には紫根を収穫する。
13ヶ月の生育結果を見る事になる。
パック内発根法は、発芽の兆しを確認出来るので根の出た種をポットに
植え付ければ4〜5日後には双葉が開き発芽の生育を見ることが出来る。
発根種は根を痛めない様にあらかじめ水で湿らせた培養土に、そっと埋めてやる。
種の殻が見える程度の深さで良い。
パック内発根方法でしばしば見られるのは、数粒が兆しを見せた後に
発根が続かなくなる事がある。「紫草の種子、パック内発根方法、見直し?」
(2016-10-16 19:55:17 | ムラサキの栽培)その際の対処方法を思い出した。
こうした場合は発泡スチロール容器の苗床に移すと良い。
この苗床は赤玉土小粒を10cm程の厚さに敷き、水を沢山入れてある。
寒中であれば、ぬるま湯を入れる。苗床の温度は20℃をメドにする。
発泡スチロールの容器の底に穴は開けない。
水量に注意するが3〜4cm程度水が底に残るくらい入れる。後の水分補給はしない。
赤玉土の表面に1cm程の溝を作り川砂をその溝に流し込む。
その砂を平らにして、楊枝を置いて押すと浅い溝が出来る。
そこに発芽の兆しの無かったムラサキの種を置いて行く。
その上に川砂を種が隠れる程度に掛けて行く。
その後、出来るだけ日光を当てて地温を下げない様にする。
既に、パック内で発根を試みた種であれば5日目頃には兆しが出て、
7日もすると多くが発芽してくる。種が砂に包まれ、発芽に適温適湿となる。
容器の底の水が発芽するまで湿気を保持してくれる。
パック内で発芽の兆しを見ることが出来なかった種である。
発泡スチロールの苗床は、ムラサキ栽培を始めた頃の原点である。
カラカラに乾いてしまえば、条件が合わなくなるので注意。
上からの水分補給は不足し勝ちである。
「いつがよい めのだすひを たねにきき」
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