「不定形な花弁の発見」
紫草の花は5弁の合弁花である。
花芯の奥に雌しべが1個、確認出来る。
純白な花びらにばかり目を取られていた。
花1輪に1果が当然の事と考えていた。
紫草の花が咲き、花弁が落ちて1週間後には種子の膨らみを確認する事が出来る。
処が、細い蕚片の中に2果、3果の種子を見つけて驚いた。
儲け物とばかり、思っていた。
過去の写真を捜して、詳しく調べてみた。
何となく気になったのであろう。お目当ての1枚は接写で撮影してあった。
花弁を見ると、不定形な花弁である。
これは、何と8弁が合弁した花形である。
この花からは3〜4個の種子が結実した事であろう。
この花も、花弁が不均衡である。
雌しべは2個あるように見える。多分、種子は1個ではあるまい。
細い蕚が黄変し始めると種も熟してくる。およそ、80日間要する。
そろそろ、種の取り時である。
お目当ての分枝を、そっと切ってビニール袋に入れるのが無難な方法である。
種に直接手を出すと大概、地面に幾つかは落ちて見つからなくなる。
種は長らく枝に付いたままになっていると
風化現象であろうか白化する種子が出てくる。
初冬である。取り残された紫草の1本の茎は葉も落ちて
白くなった種子が残っていた。
蕚も落ちて、種だけが残るのも不思議だが風化した種が
はたして、発芽する種として選別出来るかどうか怪しい気もする。
種子の採取時期も適切な時期がある様に思える。
浮種検査ですぐに除外される種であろう。
種子の数が多ければ良いと云う訳でもない。
花1輪に1果の種子は当然、丸々と大きな種になる。
複数の分果は必然的に小さな種を実らせる事になる。
「ゆえありて おおくのたねを いだけるや」
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