「山の日」から始まった今年のお盆。連日、大雨警報が発令され、外に出るのもままならず、お盆のお墓詣りができなかった。涼しくなって出かけようと、我が家の中からご先祖様に頭を下げた。
16日は送り火(おくりび)。送り火はお盆の行事の1つで、お盆に帰ってきた死者の魂を現世から再びあの世へと送りだす行事とある。今年のお盆は天候不順に見舞われたが、送り火に行われる行事はいつもの年と変わらず、各地で行われたようだ。
山鹿市の夏祭り「山鹿灯籠まつり」の呼び物「千人灯篭踊り」は16日夜、山鹿小学校グランドで開かれた。金・銀の和紙で作られた金灯籠(かなとうろう)を頭にのせ、そろいの浴衣姿の女性約1000人が、やぐらを幾重にもとりまきながら、当地の民謡「よえほ節」で踊る姿は、まるで幻想の世界。
送り火に行われる精霊流し(しょうろうながし)は、長崎県の各地、熊本県の一部及び佐賀市でお盆に行われる、死者の魂を弔って送る行事。中でも長崎の精霊流しは豪華絢爛といおうか、賑やかさもまた格別。初盆を迎えた 故人の家族が精霊船を曳き、鉦をたたき、爆竹の音を鳴り響かせて、街中を練り歩き、故人の霊を極楽浄土に送り出す。
長崎に住んでいたおりに1度だけだが、県庁坂で精霊流しを見物したことがある。人づてに見物するときには、耳栓が必要と聞いていて、”うちの奥さま”に耳栓をと話すと「大げさな」と一笑に付されたことを思い出す。
熊本市川尻の精霊流しは400年以上の歴史がある。闇の中を無数の精霊船(西方丸)や万灯篭が静かに流れていく。
月を経るごとに友人、知人、親類縁者からの訃報の数が増えてくる。傘寿を過ぎて残りの人生もあとわずか。有意義に予後を過ごしたいものだ。