いつもくつろぐ居間の片隅に、白い団子とススキをお供えし、暗い空にかがやくお月さまに、家族の健康などをお願いした。
白い団子だが、我が家の団子は「白玉団子」。花屋で買ったススキは白いひょうたんの花瓶にさし秋の花とお供えした。
(家の近くの川や公園でススキ見かけることはめったにない。カルガヤばかりが茂っている。)
今夜は十五夜。日中は秋の青空の広がる好い天気。夜、薄暗くなりかけたころ、芳賀氏の空から、まん丸で大きな十五夜の月がのぼり、我が家の小さな庭を明るく照らした。今年の月はいつもの年より美しい。そう思うのは年を取った精だろうか。
来年のことを言えば鬼が笑うというが、残り少ないこれからの人生で、来年もまたお月見ができるだろうかと、老人夫婦酒を酌み交わしながら明るく笑った。