脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

雪の囁き

2008年02月03日 11時55分24秒 | 随想
日曜日の朝、目覚めると、
眠たげな眼差しに雪が舞い降りている。
朝のラジオでは、今晩も降り続けるらしい。
雪は、私の心を幼時に戻す。

雪の降る日、幼稚園児の私は、
教室の窓から雪を眺めていた。
窓ガラスに付着した雪の破片をよく見ると、
六角形だか八角形をした雪の結晶が見えた記憶がある。

園児たちは、お迎えに来る母親を
暖房の効いた部屋で退屈しながら待っていた。
私の親はいつも中々迎えに来なかった。
私はいつも最後まで待たされ組であった。

私は、母親の迎えを待つ気持ちよりも、
黙々と降り続ける雪に見惚れていた。
白くて静かな時間が流れていた。

永遠に誰も迎えには来ないものかのように、
私は、雪が舞い降りる空からの
冷たくふかふかしたことばを聴いていた。



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