脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

福島原発第一号機の憂鬱。

2011年04月10日 12時47分30秒 | 社会時評
一昨日(4/8)、福島原発第一号機の原子炉内・放射線量が急増して、
100シーベルト/時を記録している。昨日(4/9)の統計が何故か、一号
機だけ空白になって伏せられているのが、気に掛かる。
(参照:http://atmc.jp/plant/rad/)

ネット上では、クロル38という放射性物質が検出されたということで
一号機内で再臨界が起きているという情報もある。
私に専門性はないが、クロル38とは、海水に含まれる塩素が中性子と
結びついて生じる核種で、半減期は37分と極めて短いものらしい。
これは、未だに核分裂反応が止まっていないという証拠であり、しか
もクロル38は高濃度で検出されており、半減期が短時間であることと
併せて考えると、現在再度の臨界が始まっている可能性は高い。

この件について、昨日だったか、原子力安全・保安院は会見で、一号
機の放射線量の急激な増加について、測定器が壊れているのではない
かと、イイカゲンな説明で誤魔化している。

マスコミも高濃度放射線の汚染水がどうの、玉突き排水がどうの、
低レベル汚染水の海洋放出、それに怒る漁業関係者等々の報道ばかり
で、いつまでも、原子炉の状況に、まともに触れようとしない。
今回の原発事故の中間総括をしているマスコミさえある。

また前みたいな、水素爆発が予想されるので、窒素を注入して予防し
ています、「安全」です、と示したいかのようだが、今、言っている
のは、原子炉建屋の屋根が吹き飛んだ「水素爆発」の話ではない。
原子炉の炉心が爆発し、圧力容器、格納容器とも皆吹っ飛んでしまう
ようなケースである。

炉心は燃料が溶融して、冷却がより困難な形状となっており、その影
響も関係してか、再臨界が期せずして、起きてしまったのか知れない。
チェルノブイリ原発事故でのように、最悪の事態では、水蒸気爆発が
起こり、原子炉内部の高濃度放射能が、半径200~300キロ圏内まで、
飛散・拡散するというストーリーがいくらか現実味を帯び始めている。


東京はどうなるか? 
今日は都知事選だが、それどころではない。
どうせ、現職の都知事が圧勝して終わる選挙だろう。

東京は人口過密なだけに、政府はどう措置を執れるのだろう? 
福島第一原発からは、200数十キロ離れているが、
「自主避難」という曖昧な勧告になるのだろうか? 
それとも、屋内退避か?
「自主避難」ならば、自主的に国民が判断・行動できる、正確な情報
を隠すことなく、判り易く迅速に提供することが、前提条件である。

避難するにも、相当の混乱は予想される。パニックに巻き込まれて
ケガさえしかねない。お年寄りや病人がいる家庭では、屋内退避とい
う選択も合理的かもしれない。
電気・ガス・水という基本インフラは機能していても、物資の流通に
は支障が出そうである。食料と飲料水の確保をしばらくは自前で行う
必要があろう。

また原子炉の爆発というのは、第一原発に限った危機ではなく、第二
原発も同じ事態に行き着くのかもしれないのである。
再臨界に対しては、ホウ酸水の注入が有効らしいが、そのような作業
の情報も聞こえてこない。(密かには、やっていると思いたい。)

これは、商業用原子炉の事故だから、原爆による被曝ではない。一般市
民が被る放射線被曝による影響は、即座に大勢の人々がバタバタと血を
流して倒れるだの、一挙に大量死ということではなく、将来の健康被害
が出る類であり、それで今、死ぬわけではない。

私だって、破局とか、映画のようなカタストロフを願っているのではな
い。官邸は、もう少し原発事故について情報開示と、リスク・コミュニ
ケーションを図って貰いたい。







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