私は幼稚園の廊下で
ひとり立たされていた。
教室からは園児たちの歌う声と
オルガンの音が聞こえた。
目の前には園庭が広がり、
幹の太い一本の大きな木が
涼しげな木陰を作っていた。
その向こうには、はちきれるように
太陽が、一面に降り注いでいた。
私は、陽射しを見ていると、
「全て」を忘れた。
いや、本当の全ての在り処を
思い出していたのかもしれない。
私は、陽射しの輝きに、見とれ続けていた。
私は、自分とは人の言う「自分」ではなく、
陽射しであることが分かると、無上に嬉しかった。
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