脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

画像的/実存的。

2017年05月07日 16時24分43秒 | 雑談
今日はやけに鼻水が出る。咳の症状は治ってきたが、どうも黄砂が飛ぶ
日は鼻水が出るようだ。花粉症の症状とは異なる、鼻水の出方をする。
大昔から日本列島には、中国から黄砂が飛んで来ていたというのに、今
頃、体が反応するのはどういう訳だろう。

台所で背景に白布を張って、デジカメで母親の証明写真を撮ってやった。
精神障害者手帳の申請用に顔写真が必要なのである。デジカメで写して
コンビニにSDカードを持って行き、多機能コピー機で写真の焼き付け
をすると1枚30円で証明写真が出来上がる。便利な時代である。

新聞で読んだ記事だが、アジア各国には、結婚式会場に新婚カップルの
記念写真を飾る習慣があるそうで、その記念撮影「前撮り」をするため
に、日本を撮影場所に訪れるカップルが増えているのだそうである。ブ
ライダル産業は勿論、観光地の自治体にもビジネス・チャンスのようだ。

この「前撮り」という結婚式での記念写真披露は、やがて日本の結婚式
でも流行るのかもしれない。「前撮り」では新郎・新婦は結婚式の正装
で撮影したり、記念のコスプレをしたりのようで、記念写真というより
は、様々な文脈での「自分」を撮りたいという願望、「自撮り」という
撮影行為は、時代の文化なのだろう。

現代という時代、自分はどう写っているのかという「画像」に各自のア
イデンティティがあるようになってきた。かつては性別や歳代、出自や
肩書、考え方等に自分を感じるものが、アイデンティテイだったが、今
では表面の見栄え、髪型・衣装・体形という外見にこそ、重大なアイデ
ンティティが映えるのである。(いや、萌えるというべきか。)

「自意識の画像化」というか、自意識のない「画像」ばかりの個人存在
が群れているような空間、ネット空間における自意識とは、匿名なネッ
ト言説によりも、多分「画像」の方が、存在感は上である。りアル世界
でも、どんな「画像」風な存在(人気キャラに似ているとかを含めて)
であるかで、当人の印象価値は推し量られるのだろう。

急に思索になってしまい、うまくまとまらなかったが‥、
ネットの時代、個人は中身よりも、見栄えや「画像」的な存在感に自分
を集約し過ぎ、そこに自分自身(の実存)を消し込んでしまっている傾向
(ある「画像」として、自分を表現しているのではなく!)を、私は感じ
ている。それはおそらく、日本だけの現象ではなく世界的傾向である。
そこに注視しつつ、また思索を続けてみたい。





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