結婚の、どおでも好さ。

最近になって、要介護で寝たきりの母親が、故・夫とは結婚したくなか
ったのに、親の強制で結婚させられただの、人生の悔いみたいな話をす
るようになった。あんな顔した男は好きではなかっただって…。

昔、父から聴いた話では、母は見合いをするも、相手から断られ続けて
いて仕方ないからオレが一緒になったとか言ってた。どうも、私の両親
はお互いに大した愛情をもって一緒になった仲ではなさそうである。昔
の男女とか結婚というものは、一般にこの程度のものだったのだろう。

国民の三大義務に、義務教育・納税・勤労とあるが、結婚もそれ以上に
当然と義務化されたものだったのだろう。今でもいくらかは義務めいて
捉える向きも残ってはいるが、だいぶ緩んではきている。何事にも縛り
付けることは好い事ではないと思う。自由や自由意思は大事である。

数日前、久しぶりに結婚相談所を名乗る営業電話が掛かってきた。私は
「独身だけど、用はない」と応えたら、一生独身で過ごすつもりですか！
とやけに怒ったような恫喝口調が返ってきて驚いた。そんな話は私の勝
手！と電話を切ったが、結婚産業は縮小気味なので焦ってんだろうか。

今月、２０代半ばの姪が結婚式を挙げるのだが、相手とはすでに同居し
ていて婚姻届提出済である。形式的に式と披露宴を後付けするらしい。
わたし的には、ハガキで結婚通知でもあれば、式も披露宴も不要である。
結婚してるのならそれで好いし、別れたければ早目に解消すれば好いと
思っている。

冒頭の私の父母の結婚みたいに、バレンタインの義理チョコめいた強制
まじりと因縁でする結婚は、不幸を増やすだけなのでやめにして貰いた
い。形式や性別にさえ左右されないで、カップルになりたい同士が結ば
れていれば、それを「結婚」と認めればいいだけだと思う。

いや「結婚」という言葉さえ要らない。今まで結婚に特別で特権的な観
念(家、血族、財産、地位等々)を持ち込み過ぎたと思う。子供の養育問
題その他あろうが、もっと単純で軽いものにしたら好いと思う。また、
未婚の母子や未婚父子も認めるべき形である。その方が少子化問題にも
資するわけだし。

自由な異性・同性の結びつきで、カップルの永続的な固定性に拘らず
に、自由に好き合ったヒト同士が、精神的肉体的に繋がり合う(または
離れる)で、それがフツーで好いと思う。勿論、一人でいたいヒトは
一人でいればいいだけで。