脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

2008年の筆納め

2008年12月31日 14時16分47秒 | 近況
北風がやや強いが、陽射しの暖かな大晦日だ。
町会役員をしている関係で、ジィジは、朝から近所の葬式に出ている。
亡くなった人は、40代の男性会社員で、仕事納めの日に職場で倒れて、
救急車で病院へ運ばれたが、間に合わなかったらしい。突然死である。

大晦日に葬式があることは珍しい。
喪主は、故人の奥さんらしいが、泣き崩れてパニック状態だったそう
である。二人の老親と、お孫さんも二人いる三世代家庭である。
会社関係の人々が大勢来たらしく、こんなに大勢の告別式も珍しい、
と帰宅したジィジは、言ってた。

(手伝いに出たので、後から奥さんとお祖母さんが挨拶に見えたが、
 奥さんの顔色は、病人のように土気色をされていた。「心づけ」
 を町会関係者宅に配って歩く慣わしが地元にはある。
 我が家とは付き合いのないご家庭なのだが、遺族の方と対面すると
 本当に気の毒だなと、他人事ではない感情がこみ上げてきた。)

私も今年は友人を一人失ったが、今年に出会った一番のモノは、
どうしてか、「木枯し紋次郎」のような気がしている。
一度このブログに記したが、中学生の頃、TVドラマで中村敦夫演じ
る紋次郎のキャラクターや生き様に強く惹かれた。

だが、一度として笹沢左保の原作は読んでなかったのである。
初めて光文社文庫版の『木枯し紋次郎』を手に取って、1巻から14巻
までを一気に読了してしまった。作品は、筋書きにも工夫があるが、
時代風景の描写がうまいことと、紋次郎のたまに発する言葉がいい。

紋次郎さんに「命ってえのは、一度は捨てるもんでござんすよ」
なんて言われると、悩みも迷いも何処かに行ってしまう感じである。
一番惹かれるのは、やはり紋次郎の人物像であり、生き様だな。

私の今年は、「木枯し紋次郎」と再会した年である。
今は「帰ってきた木枯し紋次郎」シリーズを少しずつ読んでいる。
笹沢左保という作家にあまり興味を持ったことがなかったが、この
深い虚無感や孤独感は、どのようにしてこの作家に萌していったもの
なのだろうか?

紋次郎シリーズの次は、氏の描く「宮本武蔵」を是非読みたい。
近頃、私には、巷の流行作家がつまらなくて仕方がない。

来年は、このブログは、もっとニヒルになるかもしれません。
そんなんで宜しければ、読者の皆様、どうぞお付き合い下さい。
これが今年の筆納めです。では、決り文句ですが、良いお年を!


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