脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

『死都日本』(石黒耀)を読む。

2011年04月30日 16時50分10秒 | 読書・鑑賞雑感
東日本大震災の一ヶ月前、二月の上旬に南九州の霧島山・新燃岳が
噴火した。当時はあまり気にも留めていなかったが、『死都日本』
という小説を読んでいて、少し恐ろしくなった。

霧島火山というのは、いくつかの火山の集まりだが、その起源に
30万年前に破局的噴火をして以来、眠ったままの加久藤(かくとう)
火山が存在するという。小説では、長径16キロの巨大なカルデラ火
山である加久藤火山が破局噴火する。

「歴史上、火山爆発指数6程度の噴火でも滅亡した国家は多いのに
 加久藤火山のじょうご型破局的噴火となれば指数7の超巨大噴火
 である。火砕流災害からの避難だけで二、三百万人、二次災害で
 は数千万人規模の難民が出る。被害額は一千兆円を軽く超すだろ
 う。」
 (石黒耀著『死都日本』講談社文庫p144から引用)

今の原発事故のレベル7どころではない、国家滅亡の危機である。
加久藤火山の噴火は、世界規模の、人類史上最大の激甚災害となる。
降灰と冷害による農作物への影響、穀物不足による飢饉・飢餓の発
生、内乱や戦争さえ引き起こしかねない事態となる。

勿論これは小説の話である。
が、新燃岳は今でも活発な活動状態にあり、マスコミでも加久藤火
山の噴火を伝える記事はないようだが、霧島連山は、フィリピン海
プレートでは富士山と通じており、富士山の噴火という事態も懸念
されそうである。実際に三月中旬に静岡で、火山性地震のような兆
候も報じられている。

富士山噴火では、首都圏・関西ともに大都市圏にも降灰や物資流通
等ですぐに影響が及ぶだろう。こうなると、浜岡原発等でも津波対
策だけではなく、火山噴火対策も見直しの追加をすべきだろう。

それにしても、今の日本の状態・状況とは一体、何だろう?
カタストロフ前夜だろうか。日本とは本当に「火の国」「日の元の
国」だと思う。自然の火としての火山と、科学の火としての原子力
に因縁付いている。今は「震災後」ではなく「大震災中」なのだ。

日本人であるからには、これから自然災害と放射能汚染を相手に、
やりたくもない生存戦争を始めねばならぬという運命のようであ
る。長生きしたい方は、沖縄にでも疎開したら良いと思う。
私は、このまま、この国と運命を伴にしたい。
この国に最期があるのなら、それに立ち会いたいと思っている。
(不安を煽るつもりはありませんが、災害情報に注意して下さい。)



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