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【「独りテロ」の狂気】本質的に「テロ行為」に弱い新幹線、ポリタンク焼身自殺で死傷者多数の惨事。

2015-07-01 13:19:06 | その他

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新幹線は、もともと構造的にテロには弱いです。

高速走行の車両の中に多くの人がいる状態です。

車両内で何かを走行中にしかけた場合、逃げることは極めて難しいです。

密閉されていて、前後の車両に逃げるしかない。

後ろからも前からも仕掛けられたら逃げる事さえできません。

今回のことは、その動機はともかくとして、実質的な「テロ行為」とみなしたほうが理解が早いです。

多数を道連れにする可能性を認識して焼身自殺することなどは、本質的にはテロと変わりはありません。

イスラム圏でよくおきる自爆テロはまさにそういうもの。

テロというのは、ある種の狂気によっておこるものだと僕は思います。

ただし自爆テロは殆どが背後にサポートする人々がいます。

実質は組織犯行です。

しかし、今回は一定数の共鳴者による組織的犯行ではなく、たった一人の異常者がおこしたものです。

「独りテロ」とも言うべきことかもしれません。

そういえば、僕は「独り」という単語を以前も使っていました。その事例と今回は根底では近い話のような気がしています。前のブログ記事。

「いつか私は全てのシステムを変える」航空機墜落で渦中の副操縦士発言、浮かび上がる「独りカルト」。

飛行機を墜落させたドイツの副操縦士は「私は全てのシステムを変えることを何かおこなうだろう。そして、皆が私の名を知り、記憶に留めることになるだろう。」とまで発言していました。

今回の犯行者の老人は、そうした強い意識まではなかったかもしれません。しかし、新幹線という他者を多数巻き込む可能性が高い舞台を選び、その中で実質的に他人が巻き添えとなる可能性を認知しながら、油を被って焼身自殺をおこないました。

「独りカルト」というまではいかないですが、「独りテロ」には十分に該当する状態です。

結局、こうした異常な行為を行う人々を、事前に察知して止めることは大変に難しいことがよくわかります。

年金に不満があったということが伝わるくらいで、意識がこんな程度の老人が独りでもこの程度の犯行は容易に行えるということです。

しかも、10リットルのポリタンクをリュックに入れる程度の偽装で、新幹線まで引火物の油(ガソリン?)を持ち込めるのですから。

まさに、「独りテロ」そのものです。

手荷物検査もない新幹線は、そもそもテロには弱いです。

僕は1994年の松本サリン事件を長く現地取材しましたが、次のサリン事件が起こる可能性として、東京ドームと並んで、新幹線車内が最も可能性が高いかもしれないと、当時考えていたことを思い出しました(結果的には地下鉄サリン事件になりましたが)。新幹線は舞台として派手であり、密閉空間と高速走行で結果がより悲惨になる可能性が高く、メディアに大きく報じられる可能性が高い、社会への影響も大きいことなどから考えていたのです。

まさに、今回の焼身自殺でも、ここまでのインパクトを与えるのですから。

こうした「独りテロ」には、格好のシステムが新幹線です。

例えば、新幹線と似たようなシステムである、ユーロスターは搭乗の際に、手荷物チェックをおこなっています。

飛行機と殆ど変わりません。

年間利用者が1億人に満たないユーロスターと比較すると、新幹線は合計すると利用者数はのべで3億人をこえていきます。乗降客は3倍。

まず、駅数が一国(イギリスやフランスのそれぞれの国内)で数駅しかないユーロスター。

しかし、新幹線は全国の全路線で、100駅を優に超えることになります。

新幹線においては、確かに対策は容易ではありません。

こういう状況下で新幹線は、性善説に基づいて、これまでは手荷物検査は実施していませんでした。

今回の「独りテロ」が指し示したことは、実質的なテロ行為に対する新幹線の脆弱さに他なりません。

それを世界に向けて、アピールした状態となりました。この脆弱さがあからさまに事案で示された後に、対応策を立てなかった場合には、更なる禍根を残す結果がおきうることは、容易に想定されます。

更に被曝後の日本では、以前にも増して、おかしな行為をする人々が増えることも、ほぼ間違いありませんし。

今の日本がまたしても追い詰められていることを、今回の「独りテロ」はまざまざと見せつけてくれました。

キチガイがもたらす災厄は、更に大きな災厄の予兆を示している場合はよくあることですから。

僕の気分は重くなるだけです。


巻き込まれて亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

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こうした現況の日本に関しても話そうと考えています。

 

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