共同通信が報じているところでは、福島第一原発3号機使用済み核燃料プール内で、最大のガレキとなってしまった燃料交換機(FHM)を、今月内にも取り出すということです。
ただし、このガレキ取出し作業は、当初予定から、どんどん日程がおくれていたもので、今回の報道されているスケジュールに取り出せるのかどうかは、たぶん不透明なままだろうとは思います。
しかし、こうしたスケジュール報道があったことで、この日程想定で、考えてみたいと思います。
もともとこのガレキ搬出は、リスクが存在しています。
震災前は、プールの上部を越えて設置されていたものが、降り曲がって水中に落下しています。
しかも重量が重いです。今回の報道は20トン。以前の東電資料などでは、35トンとも表記されています(この違いの理由は付属部分の搬出によるのかもしれませんが)。
そして、東電の資料でも明示されています。SEPは使用済み核燃料プール。
「万が一、G1ゲートのシール機能が喪失した場合にはSFP水位が低下するが、使用済燃料はG1ゲート位置より下部に設置された燃料ラックに保管されていることか ら、使用済燃料の大部分が水中に浸かった状態を維持する。なお、その際には非常用補給水ラインによる注水も可能。」
この3号機プールにあるG1ゲートに、最大ガレキとなった燃料交換機が接触しているため、引き上げる時にしくじれば、漏水するという可能性が完全に否定はできないということです(東電は、他の資料で接触してもゲート水漏れはないとは強調はしている)。
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G1ゲートよりも、使用済み核燃料が下にあるとはいえ、引き上げ作業が失敗して、何らかの形で接触などにより、東電いわくの「万が一」がおきた場合は、その核燃料の一部が露呈する可能性は否定できず、そういう状態になると、時間経過とともに危機がおこらないとは言えない話です。
そのときには、注水も出来るといっても、プールゲートのシールド機能が保てないと、そもそも燃料プールとしてのプール機能が十分に果たせるのだろうかという疑念を当然ながら思います。
いずれにしても、こうしたリスクが一定程度は存在する状況(東電の「万が一」が、本当に「万が一」と思う馬鹿は無し)が進行していることを、僕達がどう考えておくのかは大切なポイントだと思います。
本当に最悪のケースとして、こういう記述もありました。
この最大のガレキとなってしまった燃料交換機(FHM)が、引き上げ作業中に、落下した場合です。
「万一,FHMが落下した場合,燃料が破損する可能性が考えられる。現実には,FHMの落下 投影面積,瓦礫の堆積状況を考慮すると,全燃料(514本)の破損は技術的にはありえなく, かつ同時にSEP全水が瞬時になくなる可能性はないと考えられるが,被ばく線量と空間線量率を前述の条件で評価すると以下の通りとなる。」
あと、付け加えるならば、この酷暑の中でこうした作業をおこなうことは、ミスを誘発する可能性も高いということです。
きょうは放射能メトロポリタンの都心は真夏日で、セスナが住宅地に墜落したり、大型ホテルで火災がおきていますから。被曝している場所と人々が、過酷な環境下で作業を行うと、ミスがおこりやすいのは当たり前の話だろうと、僕は思います。
考えるまでもありません。
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会津盆地の阿賀川や久慈川などで、福島県内河川でアユ釣りが、今年は県内外からの人々でにぎわっていると地元紙が報じています。
栃木あたりの河川が不漁も原因と報じられていますが、淡水魚のアユは、苔を食べるため、放射性物質による汚染が体内に蓄積されやすい魚類です。
もちろん僕の感覚では、栃木であれ、福島県内で比較的汚染の低い河川であれ、そこで、アユを釣って食べようとする人々の感覚は理解不能です。
こんなもので風評被害払拭という新聞記事の感覚といい、馬鹿につける薬はないと断言しておきます。
合掌。
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【8/22(土)木下黄太 講演会 in とやま】
「福島原発事故から4年5ヵ月 子どもの未来のために今、私たちができること」
日時:2015年8月22日(土) 13:00開場 13:30〜16:00
場所:富山県民共生センター「サンフォルテ」 307号室(富山市湊入船町6-7 富山駅北口より徒歩10分)
会場カンパ:1,000円(資料代込み)
事前申込み⇒ai0noigs@ty2.fitweb.or.jp
申込者名、連絡先電話番号、必要席数(個別のお名前は明記、小学生以下は明記)などを記載してお申込下さい。
主催:木下黄太講演会実行委員会 連絡先Tel: 090-3887-4247