俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

都会と地方(2)

2013-04-14 10:04:40 | Weblog
 地方に住んでいて一番不便に感じるのは電車を日常的に利用できないことだ。電車は安い・早い・安全と三拍子揃っている。これは吉野家の旨い・安い・早いよりもずっと魅力的だ。
 大阪に住んでいた頃は安い・早いは実感していたが、安全ということは意識していなかった。電車を殆んど利用できない地方都市に住むと毎日交通事故に脅えることになる。徒歩であれ自転車であれ自動車であれ、交通事故発生率は電車と比べて桁違いに高い。電車に乗っていれば事故のことなど殆んど想定しないし、万一事故に会っても多くが補償される。何と酷い格差だろうか。
 これは間違い無く平均寿命にも影響する。都会の電車利用者の交通事故死亡率は明らかに地方の自転車・自動車などの利用者の死亡率よりも遥かに低い。
 飲酒運転の厳罰化の効果も疑わしい。確かに飲酒運転が減れば歩行者の安全性は高まるが、飲酒者本人の安全性はどうだろうか。これはアメリカでのデータだが、飲酒歩行者の距離当りでの交通事故死亡率は飲酒運転者の8倍も高いそうだ。電車を利用できない地方住民が飲酒時に歩行を強いられることは交通事故の増加に繋がっている可能性が高い。
 それだけではない。私は中学・高校と自転車通学をしていたが、都会の生徒は電車での通学時間を勉強に充てることができる。毎日のことだから累積すればかなりの時間になる。何と酷い格差だろうか。
 経済合理性から考えて、大量輸送交通機関が人口密集地でしか成り立たち得ないことは明らかだ。だからと言って都会居住者だけがこれほど優遇されることが正当とは思えない。露骨な差別が認められているからこそ人は都会に集まる。
 この差別を解消するためには安くて便利で安全な都会の電車に課税をして地方振興費に充てると共に、地方の高校生が受験で不利にならないように下駄を履かせるべきではないだろうか。

活断層

2013-04-14 09:34:19 | Weblog
 昨日(13日)の淡路島を震源とする地震はこれまで知られていなかった活断層が動いたらしい。
 以前から私は地震学者に対して極めて高い不信感を持っていたが、今回は流石に愛想を尽かしてしまった。彼らは科学者の名に値しない。
 活断層とは何なのか。以前は「13~12万年前以降に動き今後再び動く可能性の高い断層」だった。ところが1月29日に突然定義が変更された。原子力規制委員会が開いた有識者会合で「40万年前以降」が活断層とされた。
 定義が突然27万年も変更された理由は単純だ。柏崎刈羽原発の敷地内に約24年前のものと思われる断層がありこれを活断層と決め付けるためだ。つまりこれを活断層と認めなければその根拠を問われる。そんな面倒なことに巻き込まれるぐらいなら学説そのものを変更してグレーを黒に変えてしまえ、という魂胆だ。これで安楽な生活が保証される。
 この姿勢に科学者としての誇りは微塵も感じられない。あるのは事勿れ主義と責任逃れだけだ。かつてガリレオ・ガリレイは地動説を唱えてキリスト教と対立した。これは国家と戦うよりも恐ろしい神との戦いだ。ところが現代の地震学者どもは都合に応じて平気で学説を覆す。学者としての自由と独立と誇りはどこへ行ったのか。
 そして今回の地震だ。阪神大震災以降の主な地震14回はいずれも地震調査研究推進本部が警告していた活断層以外で起こっており今回も「未知の活断層」だと言う。「仏の顔も3度」と言うが15回連続は論外で占いのほうがマシなのではないだろうか。最早「活断層」という言葉は死語にすべきだろう。総てただの断層であり、今後震源になるかどうか分からないし、多分、次の地震も「想定外」の場所で起こるだろう。根拠の無い与太話で世間を騒がせるのはもうやめてもらいたい。地震と気候変動について語る似非科学者どもを沈黙させよ!