俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

自然

2013-04-18 10:02:08 | Weblog
 日本人は自然が大好きだ。自然は優しく癒されるものというイメージを持っている。しかし自然とは危険なものだ。
 プールと比べて海や川は怖い。海には潮の流れがあるし危険な動物も沢山いる。鮫だけではない。実は鮫による被害は意外と少ない。この10年間では世界で年平均60人が被害に会い死者は6人ほどだ。映画の「ジョーズ」のショックが強過ぎるようだ。むしろ無数に棲息するクラゲのほうが怖い。川は急に深くなるし上流で雨が降れば突然増水する。海や川と比べればプールの安全性は桁違いだ。
 野生の植物も怖い。毒があるのはキノコだけではない。大半の植物が毒性を持っている。これは草食動物に食べられないために進化したからだ。実を食べられることは種の拡散に繋がるが「身」を食べられたら元も子も無い。
 もっと恐ろしいのは地震だ。勉強不測なので大地の移動によって接岸した島を私は2つしか知らない。伊豆半島とインド亜大陸だ。たまたま私が知っているこの2ヶ所の近辺で続けざまに、地球スケールで言えば殆んど同時に、地震が起こった。これがプレートの移動の前兆であれば恐ろしい。伊豆半島を日本列島に接続し、インド亜大陸をユーラシア大陸にぶつけてヒマラヤ山脈を造ったプレート移動という巨大な力が働けばとんでもないことになる。
 インド亜大陸の激突が再現するなどと言うつもりは無い。それの何万分の一、何億分の一の力で人類は空前絶後の被害に見舞われる。
 プレートなんて地表だ。地球全体から見ればほんの上っ面に過ぎない。そんな表層の異変だけで人類は大きな被害を被る。プレートのエネルギーに対して人類の文明は余りにも無力だ。東日本大震災や阪神大震災とは次元の違う大地震に対して人類はなす術を知らない。我々は薄氷の上で生きているということを痛感せずにはいられない。

薬のリスク(6)

2013-04-18 09:28:28 | Weblog
 薬のリスクについてこれまでにバラバラに何度も書いたので一度整理しておく。
 薬とは本質的に毒物であり、薬による治療とは「毒を以って毒を制す」ことだ。薬を飲めば次に挙げる4種類の弊害を覚悟する必要がある。①副作用②機能の低下③利敵行為④医原病。
 ①副作用・・・副作用の無い薬は無い。薬は毒物だから想定外の場所で良からぬ作用をする。サリドマイドによる奇形児出産や胃腸薬に使われていたキノホルムによるスモン病などが代表例だ。
 ②機能の低下・・・薬が内臓の機能の一部を代行すれば内臓はその機能を更に低下させて薬に依存するようになる。これは歩かなければ足の機能が衰えて歩けなくなるのと同じことだ。不調を薬によって補うのはあくまで緊急避難に留め、食事や運動などの生活習慣を改めて体質改善を図ることが必要だ。
 ③利敵行為・・・風邪をひいた時の解熱剤が典型例だ。体温が上がることには2つのメリットがある。熱に弱い細菌・ウィルスの活動を抑えることと免疫機能の活性化だ。薬で体温を下げることは細菌・ウィルスを利することにしかならない。風邪を治す薬を発明したらノーベル賞が貰える、と昔から言われている。つまり現時点では風邪を治す薬など存在しない。感冒薬と称する物はいずれも症状を誤魔化す効果しか持っていない。
 ④医原病・・・これは①~③と重複するが問題が深刻なので敢えて項目として取り上げた。血圧や血糖値を下げる薬を処方された老人が認知症のような症状を起こすことがある。これは薬のせいで脳に充分な栄養が回らなくなるせいだ。薬をやめさえすればこの症状は治まるのだがそうせずに認知症の治療薬として殆んど薬効の無い新たな毒物まで処方されていれば廃人にされる。医原病はこれ以外にも無数にある。薬で治された人よりも殺された人のほうが多いのではないだろうか。