俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

無農薬野菜

2013-04-24 15:59:03 | Weblog
 無農薬野菜は危険だ。農薬を使った野菜なら表面に農薬が付着していることがありこれは洗い流せるが、無農薬野菜は表面ではなく内部に農薬様物質が蓄積されておりこれは洗っても取れない。
 野生の植物は総て毒素を持っている。これは草食動物に食べ尽くされないための進化だ。草食動物の側ではその毒素に強い体質を進化によって獲得し、それに対して植物は新しい毒素を身に付ける。この植物と草食動物による戦いは太古から延々と続けられている。野菜は人類が長い年月を掛けて品種改良を続けて毒素を極小化した物だ。毒素が少ないから当然、虫を含めた草食動物によって食い荒らされる。
 野菜にとっての生存戦略は2つだ。食い荒らされることを選ぶか先祖返りをして毒素を持つかだ。
 前者の場合、虫食い野菜となる。昔の野菜は虫食いだらけでしばしば虫そのものまで付いていた。今ではそんな野菜は売られていない。虫食い野菜は廃棄され、農薬によって守られた綺麗な野菜だけが市場に出回る。
 無農薬野菜なら必ず虫食いによってボロボロになる。そうならないのは先祖返りをしてたっぷりと毒素を蓄えた野菜だ。つまり虫でさえ食べないほど毒素の多い物だけが無農薬野菜として市場に流通する。
 自然界は過酷だ。武装しなければ生き延びられない。自ら武装して毒を持つか、武器をアウトソーシングする、つまり農薬に守ってもらうかのどちらかしかない。
 農薬が毒物であることを否定するつもりは無い。毒など無いほうが良い。しかし毒が欠かせないのだから、表面の毒を選ぶか内部の毒を選ぶかの二者択一になる。

北朝鮮

2013-04-24 15:29:35 | Weblog
 個人も国も基本的には自らの利益を追求するものだ。個人が利益を放棄することは本人の勝手だが、国家が国益を損なうことは本来あるべからざることだ。個人の利他的行動にしばしば裏があるように、北朝鮮が国益を損なうような行動を続けることにも裏の事情があるのではないだろうか。東アジアの最貧国による軍事的挑発は単に内政の維持だけが目的ではなく何らかの国際的戦略の一環と見るべきだろう。
 北朝鮮の暴走によって存在感を高めている国がある、他でもない中国だ。中国は北朝鮮を押さえ込める唯一の国として国際社会で期待されている。
 北朝鮮は経済も軍事も中国に依存している。中国が支援をやめればすぐにでも崩壊してしまいそうな状況だ。そんな状況下でなぜ北朝鮮が中国の意向に背いて行動できるのだろうか。いや逆だ。これは中国の意向に沿った行動なのだろう。推理小説でも現実でも犯行によって利益を得る者が一番怪しい。
 北朝鮮が好戦的なポーズを取れば日米韓の3カ国は恐れ慄く。たとえ北朝鮮そのものが大して怖くなくてもバックに中国が控えていることを思えば迂闊な手出しはできない。
 そんな中で韓国が中国に急接近している。頼りにならないアメリカに見切りを付けて、中国との関係強化によって北朝鮮の脅威を減らそうとしている。これこそ中国の狙いではないだろうか。負担にしかならない北朝鮮とは違って韓国には経済力も技術力もある。北朝鮮の脅威を演出して韓国を属国化することが中国の狙いであり北朝鮮は中国の国益を拡大するための操り人形に過ぎないと考えることは余りにも穿った見方だろうか。