俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

異形の国

2013-07-10 10:16:05 | Weblog
 隣に大金持ちが住んでいたらたとえ悪い噂の絶えない人であっても付き合いたいと思うだろうか。私はご免蒙りたい。むしろ貧しくても誠実な人を大切にしたい。
 中国との国交はそんなものではないだろうか。チベットや新疆ウイグル地区に対する弾圧を黙認し、台湾の存在を否定し、デタラメな歴史を認めることなどが国交の条件だ。そんな国との付き合いなど必要最小限に留めるべきだろう。
 いずれ「中国の春」が訪れるだろう。共産党による一党独裁が否定される時が来る。日本が現在の中国を利することは一党独裁制に加担することだ。
 日本は民主主義国ではないのか。なぜアラブ諸国の独裁制と同様に一党独裁と言論弾圧を咎めないのか。相手が大国だからか。長い物には巻かれる奴隷根性が染み付いているからか。
 私は民主主義者ではないが、一党独裁と言論弾圧を否定する。自称民主主義者ならもっと怒るべきだ。それとも彼らは似非民主主義者に過ぎないのか。かつて共産圏の核兵器を容認したのと同じ訳の分からない理屈で中国の公害問題も黙認するのか。
 中国は一人っ子政策のせいで日本以上に少子高齢化が進む。ところが共産主義国を標榜しながら老人対策は余りにも貧弱だ。これでは易姓革命を招きかねない。
 多分私の目の黒い内(20年以内)に、ソ連と同様に中華人民共和国は崩壊するだろう。その後、どんな権力構造になるか、その1つのモデルは台湾ではないだろうか。政治家なら今の内に台湾に媚びておいても損は無かろう。

警察

2013-07-10 09:54:43 | Weblog
 我々は警察を信頼している。普段は鬱陶しいだけの存在だが、いざ被害者になれば頼りになる。一挙に正義の味方に格上げされる。どういう訳か今年の第一生命の「大人になったらなりたいもの」調査では男子の2位にランクされた。しかし残念なことに警察権力は国内でしか通用しない。
 アメリカの場合、警察は州に属する。州はstateでありこれは「国」という意味でもある。西部劇では州境を越えて権力を行使できなかった。この不合理を解消するために1908年にFBI(連邦捜査局)が作られた。
 これと同じように国際警察があれば良いと誰でも思うだろうが、国ごとに法律が違うという事情もあってそれは難しい。では治安は誰が守るのか、軍隊だ。
 ソマリア沖の海賊には誰が対処すべきか。国際警察など無いのだから各国の軍隊が対応している。では日本は?丸腰でいる。日本国籍の船には銃刀法が適応されるため民間人の武装が禁じられているからだ。
 しかしこれは奇妙な話だ。国内なら警察が市民を守るのだから武装の必要は無い。ところが公海上では殆んど守れないにも関わらず武装が禁じられている。「平和憲法があるから日本は平和だ」という奇妙な迷信を信じる人なら「銃刀法があるから日本の船は安全だ」と考えるかも知れないがそれはあり得ない。
 アメリカに住む日本人なら武装が許される。これはアメリカの国内法に基く。それと同様に警察権力が及ばない公海では武装が認められるべきではないだろうか。国が治安の責任を果たせないのなら自主防衛権が認められて然るべきだろう。
 政府も見て見ぬ振りをしている訳ではない。武装警備を認める日本船警備特別措置法が通常国会に上程されていた。しかし会期末の混乱で廃案になった。政争のために国民の生命や財産が危険に晒され続けることは好ましくない。