俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

自衛隊法

2013-07-20 10:14:51 | Weblog
 もし警察が危険な活動を禁じられたら仕事になるまい。犯罪者の捕縛は勿論のこと、災害救助も要人警護も危険な仕事だ。その場合はせいぜい拾得物の保管と道案内ぐらいしかできなくなる。
 たまたま自衛隊法を読んでいて驚くべき条文に気付いた。「(前略)緊急事態に際して(中略)当該輸送の安全について外務大臣と協議し、これが確保されていると認めるときは、当該邦人の輸送を行うことができる。(第84条の三)」つまり緊急時でも安全な場所にしか行けないということだ。こんな馬鹿な「軍隊」があるだろうか。憲法改正よりも先に自衛隊法を改正すべきだろう。実際、先の通常国会に、この条文を含めて、不充分ながら改正する案が出されていたが、会期末のドタバタ騒動の煽りを食って「継続審議」扱いとなった。
 昔、小泉元首相がイラク派遣の自衛隊について「法律上ということになれば、自衛隊が活動している地域が非戦闘地域だ」と答弁したことがあった。その時、私はとんでもない詭弁だと呆れたものだが、実は自衛隊法を踏まえていたようだ。何しろ自衛隊は安全な場所にしか行けないということになっているからだ。
 内乱などで邦人に帰国を命じた時でも民間機を使わざるを得ないのも自衛隊法が足枷になっているからだ。全く役立たずの「軍隊」だ。
 自民党は憲法改正を主張しているが、その前に自衛隊法の問題点について国民に知らしめるべきではないだろうか。自衛隊法がどんな矛盾を抱えているかを明らかにしない限り、憲法9条に関する議論は虚しい。

温暖化待望論

2013-07-20 09:48:48 | Weblog
 地球全体が温暖化すれば熱帯はそのままで、温帯は亜熱帯に、亜寒帯は温帯になる。つまり地球環境は今よりも人類にとっては快適になる。人類は寒い場所よりも暑い場所を好む。寒い場所を好むのはホッキョクグマとペンギンぐらいだ。南国へ旅行する人は多いが南極へ旅行する人は少ない。
 陸地が水没すると言う人がいる。しかし最新の試算に基けば海面上昇はせいぜい数十㎝程度だ。北極の氷は水に浮いているので融けても水位は変わらないし南極では降雪量が増えるので却って水位が下がるという試算まである。
 もしCO2が増えて温暖化が進めば植物の生育が促される。植物の生育に不可欠な熱と光とCO2が同時に増えることになるからだ。植物が増えれば草食動物も増える。これで人類の食糧事情も少しは改善されるだろう。
 温暖化すれば暖房の必要性が下がる。一年中暖房が必要だった地域が暖房不用になればエネルギー消費量が減る。但し新たな冷房需要が増えるだろう。多分、暖房の減少による効果のほうが冷房による増加よりも大きいとは思うが、ここは手堅く±0としておこう。
 温暖化は円安と同じようにメリットもデメリットもある。メリットを無視してデメリットばかりを騒ぎ立てるのは科学的ではなく政治的だ。金融緩和のデメリットばかりを取り上げて非難する野党のようなものだ。
 温暖化よりも寒冷化のほうが怖い。もし寒冷化すれば北海道や欧米の農業が大きなダメージを受ける。農業に限って考えるなら温暖化は歓迎すべきだろう。例えば93年の冷夏で米は不作だったが翌94年の猛暑では豊作だった。日本のマスコミはなぜ温暖化のメリットを無視して恐怖ばかりを煽り立てるのだろうか。政治的意図があるとしか思えない。