俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

適度のインフレ

2013-10-01 10:01:44 | Weblog
 インフレとデフレとどちらがマシかという議論は無意味だ。過度のインフレも過度のデフレも好ましくない。良いのは適度のインフレだ。
 なぜ適度のインフレが好ましいのか、自由経済社会における唯一正常な姿だからだ。地球上の資源は有限だ。それを今なお増加し続けている人類が奪い合うのだから資源の価値は高まる。その一方で、金本位制という枠を廃止したマネーは幾らでも発行し放題だ。だから特別異常な状況以外では物価は上がり続ける。
 実際、世界中で物価は上がり続けている。日本でのみ物価の下落という異常事態が続いていた。日本では人口減少という特殊な事情があったとは言え、グローバル化した世界でこんなことなど起こる筈が無い。しかし現実に起こっていた。
 ではなぜそんなことが起こったのか。リーマンショック後に世界中の先進国が通貨供給量を増やした中で、日本は殆んど増やさなかったからだ。物価だけではなく通貨の価値も需要と供給のバランスで決まる。半後進国の中国でさえ通貨供給量を増やしているのに日本だけが増やさなければ円高になるのは当然のことだ。この流れを為替介入によって変えようとした当時の政治家と日銀は、経済学については素人の私以下の、経済音痴だったと言わざるを得ない。
 アベノミクスは大した政策ではない。世界から4年遅れの追随政策に過ぎない。しかし過去の失政を無視して新しい政策としてアピールする厚かましさは敬服に値する。
 通貨供給量を増やすことが正しいかどうかは分からない。バブル経済を招く恐れもある。しかし他国が通貨供給量を増やしたならそれに対抗すべきなのは当然のことだ。それはたとえ平和を望んでいても攻撃されたら反撃せざるを得ないのと同じことだ。理想を唱えることよりも現実に対応することのほうが急務だ。

欲望

2013-10-01 09:34:19 | Weblog
 人類を、四季を問わず24時間発情可能な性欲の強い動物とする解釈は誤りだ。発情期を失った最も性欲の乏しい動物だ。性欲が足りない人類は性欲以外の刺激に頼って辛うじて繁殖を続けている。男にとっては視覚であり、女にとっては、本能からは大きく懸け離れた金銭欲と名誉欲だ。
 男は視覚的な刺激によって性欲を起こす。スベスベして柔らかそうなものが揺れているのを見ると触りたくなる。これは本能ではなく乳児期における刷り込み(インプリンティング)効果ではないだろうか。
 ショーペンハウエル曰く「背の低い、肩幅の狭い、臀の大きな、脚の短い種族を美しいものと呼び得るのは、ただ、性欲のために呆けている男たちの知性だけだ。」ここまでの酷評には同意し難いが、女性美の基準が少なからず人為的で不自然なものであることは間違い無かろう。
 一方、女はどんな男を好むだろうか。芸能人、スポーツ選手、有名作家、青年実業家、王族・・・・全然首尾一貫していない。これらの共通点は金持ちで社会的地位が高いということだけだ。つまり女は最早、性欲などに操られてはいない。女を操るのは金銭欲と名誉欲だ。玉の輿に乗りたいというシンデレラ願望を満たすために男に色目を使うだけだ。本能が壊れた動物である人類にとっては後天的に獲得した欲望が第一原理たり得る。その意味では、女は男よりも進化した動物と言えるだろう。
 イスラム教徒(ムスリム)が好戦的であることは歴史を見れば明らかだ。新約聖書とは違ってコーランは戦争を否定しない。イスラム圏の多くの国が一夫多妻制を認めているのは、少なからぬ男が戦死することを前提としているからだとさえ言われている。そうでなければ男が余ってしまう。イスラム圏にはもう1つ大きな特徴がある。女性を見せないことだ。体は勿論、顔まで隠す。これは「見たがる性」である男を欲求不満にして好戦的にすることを狙っているのではないだろうか。