俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

病死

2014-04-14 10:00:03 | Weblog
 少し古い話だが2月4日にWHO(世界保健機関)が、今後20年以内に癌患者が1.5倍以上になる可能性があると発表した。なぜこんな発表をするのかと私は驚いた。癌患者の増加は悲報ではなく朗報だろう。癌患者は大半が高齢者だ。私は細胞レベルでの変異が原因だと思っている。つまり老化による細胞の複写ミスの蓄積だ。だから癌とは基本的には老化現象であり老人病だ。
 日本で癌による死亡率が高いのは長寿だからだ。若い内に感染症などで死ぬ人が少ないからだ。平均寿命が40歳の地域であれば癌による死者は殆んどいないだろう。現在、発展途上国で癌による死亡率が低いのは「発癌適齢期」を迎えるまでに感染症で亡くなる人が多いからだ。彼らが長寿になれば癌患者が増えるのは当たり前のことではないだろうか。WHOは何を警戒させたいのだろうか。
 こんなジョークがある。死刑囚の最後の願いを適えようということで、本人に死に方を選ばせた。死刑囚はしばらく考えてから微笑んでこう答えた「老衰を選びます。」
 この警告は「老衰に注意せよ」と言っているようなものだ。老化は今のところ防ぎようが無く、アンチエイジングの筈のホルモン療法は現在の若さの代償として寿命を奪っているようだ。老衰による死なら天寿を全うしたということであり目出度いことだろう。
 私自身、どうせ死ぬなら癌で死にたいと思う。「余命何年」という告知があればゴールから逆算して余命を全うしようとするだろう。晩節を汚さず、死期に備えることができる。
 重度の認知症を患ったり感染症で死ねば準備ができない。財産目録も作らずに死ねば相続人が迷惑する。喜ぶのは棚ボタで財産を没収できる財務省だけだ。

入管

2014-04-14 09:33:57 | Weblog
 外国人観光客を増やすために様々な方策が検討されている。特に6年後にオリンピックを迎える東京では急務とされている。しかし個々の施設の改善よりも先に絶対に梃入れすべきものがある。外国人が必ず立ち寄る施設があるからだ。それは出入国管理所(以下「入管」とする)だ。誰もが立ち寄るということだけではなく最初に立ち寄るという要因も重要だ。第一印象の良し悪しはその後の印象まで左右して国の印象まで決めかねない。
 私が旅行した範囲で最も不愉快な入管はフィリピンで2番目はハワイだ。
 フィリピンではマニラとセブの入管を知っている。どちらも悪いがマニラのほうが一層悪かった。欠点は同じだ。発展途上国にあり勝ちな公務員の横柄な態度と役得狙いだ。書類に不備があれば具体的に指摘せずに突き返すし、国際ルールに適った製品であろうともしばしば問答無用で没収される。
 ハワイは20年も前の話なので今では改善されているかも知れないが、免税品の受け取りシステムに欠陥があった。島内で買った免税品はその場ではなく空港で受け取るという仕組みだった。ところが出発時になっても空港に届いていないことや、受け取りのための行列が余りにも長くて諦めざるを得ないことがしばしばあったようだ。
 外国人が必ず通る場所だけに入管でのサービス向上を重点的に図るべきだ。方向性は2種類ある。ハイテク化とハイタッチ化だ。日本の技術力を生かした自動入管方式と「おもてなし」の心を演出する人的サービスだ。両方を揃えて利用者が選べるようにしても良かろう。
 しかし入管を通らない外国人がいることはそれ以前の大問題だ。米軍関係者は日米地位協定によってフリーパスが認められている。しかも米兵だけではなくその家族や知人あるいは第三者までが米軍基地経由であればフリーパスだ。日本には審査権も捜査権も無いのだから、密輸出入であれ好ましからざる人物の出入国であれやりたい放題で事実上治外法権状態になっている。日本は今尚、米軍に特権を与え続けている。