俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

OINK

2014-04-20 10:07:34 | Weblog
 韓国はどんどん変な国になりつつある。全く残念なことだ。
 セウォル号の沈没事故での不手際は目に余る。ここでは2点だけを指摘する。
 最大の失敗は日本に支援要請をしなかったことだ。日本は早くから支援する意志があることを表明していた。これを拒絶したのか無視したのかは知らないが、日本に支援させなかったことは事実だ。日本の海難救助のレベルは多分世界一だろう。海によって隔離されているので海運も漁業も盛んな日本は設備・技術・人材のどの面でも韓国とは桁違いに優れている。そんな海難救助大国が隣にあるのに支援を要請しなかったのは、事故を甘く見たか人命軽視か阿呆なのかのどれかだろう。事故発覚時に真っ先にすべきことは日本への支援要請だったと思う。
 もう1つの大失敗は朴クネ大統領が「責任者は厳罰に処する」と発言したことだ。なぜかマスコミはこれを余り問題視しないが、これはとんでもない発言だ。司法権に対する侵害だからだ。
 私は韓国の制度に詳しい訳ではないが、多分、大統領は立法・行政の両方に対して絶大な権力を握っているだろう。しかし司法に口出ししてはならない。これをやったら独裁者になってしまう。三権分立で最も重要なのは司法権の独立だが、これを知らない大統領がいたとは大きな驚きだ。独裁者のつもりなのだろうか。あるいは国民に迎合するためなら何でも許されるとするポピュリズム政治なのだろうか。大統領として表明すべきなのは、こんな事故を招いた船舶関連の法律の改正や救助体制の見直しなどであり、厳罰の確約のような越権行為をすべきではない。
 行方不明者の家族の抗議を躱すための失言だったのかも知れない。しかしこれは国の根幹に関わる問題だ。こんな暴言を軽々しく発するようでは大統領どころか政治家失格だ。
 確かに韓国の司法のレベルは低いから軽視したくなる気持ちも分からない訳ではない。OINK(Only In Korea)と揶揄されるようになったのは司法によるトンデモ判決が発端だ。だからと言って司法を無視するような発言は許されない。これもまたOINK現象の1例だ。

個人差

2014-04-20 09:32:51 | Weblog
 酒に弱い人と強い人がいる。このことは誰でも知っている。それなら特定の薬に弱い人も強い人もいるだろう。
 外国で広く使われている薬がなかなか承認されずにドラッグラグがしばしば生じる。厚生労働省は、人種差があるからと説明するが、人種差よりも個人差のほうが大きいのではないだろうか。特定の食品に対するアレルギー体質の人はどこの国にでもいるのだから、ある薬が全く効かなかったり有害になる人も世界中にいるだろう。厚労省は人種差を口実にしてドラッグラグを放置するが、他の理由があるからだろう。もし人種差をそれほど問題にするのならそれよりも大きい個人差のほうが大問題だ。
 雑種民族である日本人の個人差は決して小さくない。小麦、卵、牛乳などの主要食材でさえアレルギー反応を起こす人がいる。元々毒物である薬で副作用が出ることはある程度やむを得ないことだろう。毒を以て毒を制すのが薬の本質だ。
 リスクばかりを騒ぎ立てることは日本のマスコミの大きな欠陥だ。予防接種の危険性を大騒ぎしたから今頃になってはしかが流行る。子宮頸癌ワクチンの副作用ばかり騒いだことによって、接種しなかったことを10年後あるいは20年後に後悔する人も現れるだろう。何事にもメリットとデメリットがあるものだ。航空機事故が起こり得るのに利用者が絶えないのはそのデメリットの起こる可能性が無視できるほど小さいからだろう。メリットとデメリットは質と量(確率)の両面から数値化して公表し、個人が判断できるようにすべきだろう。
 薬の副作用にせよ、食品添加物の有害性にせよ、遺伝子組み換え作物にせよ、危険性ばかり煽り立てるのは無責任だ。これは空港で「航空機はいずれ墜落する」と騒ぎ立てて乗客を徒に不安にさせるようなものだ。
 危険過ぎる薬は良くないが、ある程度の確率で副作用は発生するものだ。これを容認しないことは、小麦や卵の摂食を国民に禁じるようなものだ。