俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

桜散る

2014-04-16 10:16:06 | Weblog
 桜は一時に咲いて一時に散る。ソメイヨシノばかりだからだ。大阪の造幣局の桜の通り抜けのように様々な種が揃っていればバラバラに咲いてバラバラに散る。ソメイヨシノの散り方から種の絶滅のことをつい考えてしまう。
 種が同質化していれば同じ要因によって全個体が滅ぶ。耐性が同等であれば、新型ウィルスや気候変動や大気汚染などによってほぼ同時に死滅する。そんなことを免れるためにも多様性が望ましい。
 通常、血液型と呼ばれているがこれは実は免疫パターンの違いだ。血液型ごとにウィルスなどの寄生体に対する得手不得手がある。多様な免疫パターンがあればどれかが助かる可能性が高まる。純血化などとんでもない話だ。もし地上にゲルマン民族しかいなければ絶滅する可能性が高まる。最も多様なアフリカの黒人の遺伝子が拡散することこそ望ましい。
 組織も同質化すると危ない。構成員が金太郎飴のように均質化してしまえば全体が同じように反応する。ある危機に対しては過剰反応して、ある時は過少反応するために大失敗を招く。構成員が多様であってこそどんな事態にも対応できる。
 理化学研究所は理系学者の聖域だろう。文部科学省からの出向者以外に文系の人は殆んどいない。理系の人はデジタル的な思考が多い。つまりonかoffかの二者択一だ。捏造・改竄については白から黒へのグラデーションで判定するべきだろう。それを小保方博士だけを黒にして他は全員白という乱暴な仕分けをするから問題がこじれてしまった。理系偏重の組織だからこんな荒っぽいことをやったのだろう。これは理系・文系以前の、白黒二分法が招いた誤った解決策だ。
 今日、3時から超一流の科学者である笹井芳樹副センター長による記者会見がある。STAP細胞研究の実質的指導者である笹井氏の発表によってトカゲの尻尾切りの状態から脱却できることを期待したい。

女心

2014-04-16 09:42:41 | Weblog
 女心が分からない男は駄目な男だ。このことに反対する人はいまい。たとえフェミニストでも・・・?
 これは奇妙なことだろう。フェミニストとは男と女の違いを否定する立場の筈だ。それなら女心も男心もあるまい。広辞苑を見ると「①女性に特有の心情」と書かれている。だから女心を認めることは男女が異なると認めることになるのではないだろうか。
 フェミニストは女心を、虐げられた弱者の心情と定義するかも知れない。社会が弱者である女性を抑圧するから女性特有の感情が現れるということだろう。この場合の女心は、虐げられた弱者に共通の心情であり先天的なものではない。
 私は男女の心は先天的の異なっており後天的に更に拡大されると考える。これは事実としてであり価値としてではない。つまり優劣を意味しない。
 フェミニストは男性的役割を優、女性的役割を劣と考えて女性が男性性を獲得すべきだと考える。社会参加を優、家事や育児を劣と見なして社会進出を訴える。私はこれらを優劣とは捕えず役割分担だと考える。男女、それも個々の男女が自らの意思で選ぶべきことだろう。従って理屈上は男性が「専業主夫」を選んでも構わない。
 右脳と左脳を繋ぐ脳梁は女性のほうが平均で20%ほど太いそうだ。脳梁を構成する神経線維は女性のほうが細いので機能性の差はそれ以上になる。だから女脳は左右の脳を連動させるので総合的になり、男脳は分析的という特徴を持つ。元々持っている長所を生かすのが自己実現でありわざわざ苦手なものを目指すべきとは思えない。運動能力の高い人に知的労働を勧めないし知力の高い人には肉体労働を勧めない。しかし選択権は個々人が持っているから何を選ぼうと本人の勝手だ。
 不特定多数との浅い関係と特定少数との深い関係とどちらが優れた生き方かを決めることはできない。だから個人に選択権がある。一方が他方よりも高尚と決め付ける理由など無いのだから、女性に男性的役割を押し付けようとして配偶者控除まで否定しようとするフェミニストこそ多くの女性にとっては敵なのではないだろうか。
 専業主夫は子供の無い夫婦でのみ可能な形態だと思う。男性の育児力は女性よりも劣っているからだ。先天的に女脳のほうが共感力が高いことに加えて、男性には出産・授乳の能力が無い。出産・授乳の経験の有無は、子育てにおいて決定的な差に繋がるだろう。