俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

2014-06-06 10:00:03 | Weblog
 「毒を食らわば皿まで」と言う。悪事に手を染めると歯止めが利かなくなるようだ。普段、平気で信号無視をしている人は多分他の違法行為も常習しているだろう。
 東北の海で獲れた魚を関東で水揚げして産地偽装をしている業者がいるらしい。こういう連中はもっと悪いことをしているのではないだろうか。つまり福島第一原発の近海での漁獲だ。漁獲禁止区域であれば他者との競合が無いから取り放題だ。
 悪事にはリスクが伴う。リスクが大きければ薄利多売というビジネスモデルが通用しないので一攫千金を狙うことになり勝ちだ。通常の産地偽装程度では大した儲けにはならないからもっとボロ儲けをしようとして危険なものにまで手を出そうとする。
 麻薬や覚せい剤といった違法ビジネスも儲けが大きい。詐欺も儲かるらしい。何しろ必要なのは口先三寸であり元手が掛からない。最近ではネット通販詐欺も盛況らしい。違法だからこそ儲かるし、儲かるからこそ違法であろうとも手を出す。一旦、毒を食らってしまえば皿まで舐めようとする。売春においても違法性が高いほど(例えば児童)儲かる。こんな構造は何とかしなければならない。
 法による規制の限界がここにはある。厳罰にすることが却ってそのことの希少価値を高めてしまう。違法だからこそ高付加価値になる。違法なものを有難がる迷惑な人が違法市場を成立させてしまう。
 健康食品も変な商材だ。薬として申請して却下された物が健康食品として売られている。薬として承認された物でも殆んど効果が無くて販売中止になることがあるのに、そのレベルにさえ達していないということだ。健康食品は違法ではないが、犯罪的なほど不当に高い価格が設定され、高い物を有難がる類いの、価値と価格を混同する愚かな人を騙して儲けている。

配偶者控除

2014-06-06 09:30:24 | Weblog
 配偶者控除があるために女性の社会進出が妨げられている、という主張には疑いを持つ。全く逆ではないだろうか。配偶者控除があるから忙しい生活から時間を割いてでも働く訳であり、配偶者控除が無くなれば働いても税金が増えるだけだ。非課税枠があるからこそ少しでも働こうとするのであって、配偶者控除こそ主婦の社会参加を促していると思う。
 配偶者控除に反対する人は「103万円の壁」を指摘する。年収が103万円を超えると38万円の配偶者控除が減額され、141万円を超えると控除そのものが無くなってしまう。このためにもっと働ける人がそれ以上働かないと言う。この制度が問題だと言うのなら増額すれば良いと思う。103万円の壁を150万円に拡大すれば、働ける人はもっと働くようになるだろう。
 このことによって税収は減るだろうか、多分、増えるだろう。税制改革は様々なケースが考えられるが、仮に控除額はそのままで控除対象枠を拡大するなら、年収が増えるので所得税も増えるだろう。このことによる税収増加額は、現在は少数者である年収103万円~150万円の人からの減収額よりも遥かに大きいだろう。
 配偶者控除を目の敵にする女性には専業主婦に対する妬みがあるように思えてならない。社会に貢献することが人間の義務であって主婦が片手間で働くなど許し難いというキャリアウーマンの怒りが感じられる。短時間労働者の待遇を長時間労働者だけで決めるべきではない。長時間労働者は短時間労働者が不利になるようにしか変えようとしない。短時間労働者の意向を聞く場が必要だ。
 女性の社会進出の促進という言葉の蔭には専業主婦に対する蔑視が潜んでいるように思えてならない。社会に対する貢献のほうが家族に対する貢献よりも高尚であると決め付ける根拠など無い。