俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

今世紀末

2014-06-10 10:31:25 | Weblog
 環境省は6日「地球温暖化が最も進んだ場合、今世紀末の全国平均気温は、1984~2004年の平均と比べて4.4度上昇する」と発表した。
 各新聞の記事を読み比べてもさっぱり理解できなかったので環境省の元記事にまで遡って調べてみたがやはりさっぱり分からない。CO2の排出量を予測するためには決定的な要因である人口やGDPの推移の予想が不可欠だ。これらの要因を無視してどうやって今世紀末の気温が予想できたのだろうか。環境省にはデータが無くても未来を予知できる超能力者でもいるのだろうか?
 致命的な欠陥は推移について全く触れていないことだ。10年後・20年後・50年後は無視していきなり今世紀末の予想が現れる。これでは検証のしようが無い。検証できないものは科学ではない。どうやらここ数十年の実績を直線的に延長して予測しているだけの幼稚な資料のようだ。大方、先月末から今月始めの猛暑を利用して世論を煽ろうと企んで大慌てで作ったいい加減な代物のようだ。
 気温の上昇には主に2つの要因があると言われている。CO2による地球温暖化と、コンクリートとアスファルトによるヒートアイランド現象だ。東京ではこの100年間で気温が約3.5℃上がっているがこれを温暖化が原因と考える人は殆んどいない。日本全体では約0.7℃しか上がっていないのだから主たる原因はヒートアイランド現象と考えられる。もし日本全体が3.5℃も上がっていたら農作物の作付も変えねばならなかっただろう。
 夏に近畿地区で一番涼しい場所をご存知だろうか、何と本州最南端に位置する潮岬だ。夏以外であれば最も暖かい潮岬が夏には最も涼しいのはヒートアイランド現象の影響を受けにくい海洋性気候だからだろう。
 ヒートアイランド現象を無視して今後も同じように気温が上昇すると予測することは全くの暴論だ。これでは科学ではなくオカルトだ。80年後のことだけに検証される可能性が皆無だとは言え余りにも無責任過ぎる。温暖化と地震予知は科学を騙る2大オカルトであり税金の無駄遣いだ。

違憲

2014-06-10 09:49:57 | Weblog
 自衛隊は誰がどう考えても憲法違反だ。憲法9条には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と書かれている。英語ではarmyと訳される自衛隊は100%間違いなく戦力だ。交戦権さえ認めていないのだから集団的自衛権など論外だ。憲法をどれほど曲解しようとしても自衛隊も集団的自衛権も違憲としか判断しようが無い。
 安倍政権は「集団的自衛権は国連も認めている」と言うがこんな馬鹿な理屈は無い。国連が認めようとも憲法が禁止していれば違憲だ。逆に国連は18歳未満の婚姻を咎めているのに日本では16歳女性の結婚を見直そうとはしていない。都合の良いところだけをつまみ食いして国連の権威を利用しようとする卑劣で恥知らずな屁理屈はやめて貰いたいものだ。
 自衛隊は曲解に次ぐ曲解を重ねて強引に合憲ということにされているだけだ。これでは法治国家ではない、放置国家だ。法治国家では法によって権力者の暴走を食い止めているが、放置国家では権力者が法を蹂躙する。こんなデタラメが罷り通るのは日本以外では、中国などの独裁国と韓国だけだ。
 日本が法治国家であるためには、憲法に従って自衛隊を廃止するか憲法を改正するかしかない。制度を守るか憲法を守るかの単純な二者択一だ。石原慎太郎議員が頑なに拘る自主憲法論は正論だ。その一方で憲法改正を主張しない勢力は自衛隊廃止を公約とすべきだろう。
 国会は立法権を持つ。立法権を握る国会議員が立法の根拠である憲法を蔑ろにすることなど絶対に許すべきではない。自衛隊をどう考えるかは国会議員に対する試金石として有効だ。自衛隊を廃止するか憲法を守るかを選ばせるべきだろう。合憲と強弁する輩には「嘘つき」あるいは「読解力皆無」というレッテルを貼っても差し支え無かろう。
 実はもう1つ選択肢がある、憲法を廃止することだ。そんな無茶な、と言われるかも知れないが、憲法を持たない国がある。イギリスには憲法が無い。権利章典など様々な法や契約などがあるが、最高位に君臨する筈の憲法を定めていない。日本の場合、既に無視されている憲法なのだから廃止しても全く問題は生じないだろう。成文法よりも現実が優先するような前近代国家には憲法のような高度に文化的なものなど必要あるまい。野蛮人に相応しく祈祷札でも飾っておけば充分だろう。