俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

Death's hands

2014-07-03 11:11:30 | Weblog
God's handsを持つ天才外科医がどれだけいるか知らないが、Death's hands(死神の手)を持つ医師は大勢いるようだ。千葉県がんセンターのある医師は腹腔鏡下手術で次々に患者を死なせているらしい。鏡下手術ではなく鏡下・下手・手術をしているようだ。
 昔からヤブ医者はいたようでイソップ寓話にもこんな話がある。
 医者が死者を減らしていると怒った死神が医者を対象にしてブラックリストを作り始めた。たまたまそこに居合わせた死者が言った。「このA医師は敵ではなく協力者です。」
 現実の世界でも医者は人口減少に貢献していると思える。医者がストライキをすれば死者が減るというデータが何度も提供されている。
 1973年にイスラエルで約1箇月のストが行われたがこの期間の死亡率は半減したそうだ。イスラエルでこれほど死亡率が下がったのはその20年前に医者がストライキをした時以来だと言う。
 1976年のロサンジェルスでのストでは死亡率が18%減った。
 同じ1976年、コロンビアのボゴタで52日間のストがあり、この期間の死亡率は35%減ったそうだ。
 数十年前、私の叔父は手術の前日に病院から逃げ出した。現在80代になっているがその後何の異常も無く元気に暮らしている。
 一方、義理の妹が子宮癌と診断されて子宮摘出手術をし、その後、体調不良に悩んでいる。事前に知っていれば手術を思う留まらせていたと思うだけに残念でならない。
 医者は人を切り刻むだけでは飽き足らず毒まで盛る。手術以上に恐ろしいのが薬だ。鬱病患者が増えていると言われるが、軽度の気分障害の人に抗鬱剤を処方することによって狂わせたり薬物依存症にしている。
 生活習慣病に至っては厳し過ぎる基準値によって健康な患者を大量生産している。日本人の半数が高血圧症とされているがこんなデタラメな話は無かろう。こんなことのために医療費は無駄遣いされ医者と製薬会社だけが儲けている。
 血圧やコレステロール値を下げる薬は脳の機能を低下させることが少なくない。薬が原因で認知症にされた高齢者は一体どれだけいることやら。
 東京女子医大病院では小児への投与が禁じられている鎮静剤プロポフォールにより2歳児が死亡した。この病院ではこれ以前に63人の小児に対してこの薬が投与されその内12人が死亡したとのことだ。

ディベート

2014-07-03 10:32:45 | Weblog
 ディベートもリベートも有害なだけだ。ディベートの技術など身に付ける必要は無い。相手を説得する技術など百害あって一利なしだ。白を黒と言いくるめるための技術ではなく、白と黒を正しく識別して同時にグレーの存在を認めることこそ重要だ。論理は正しく使用すべきであって相手を煙に巻くために使用してはならない。ソクラテスはソフィストの弁論術を誤魔化しの技として否定した。
 美が健康に基づくべきであって化粧や整形で誤魔化すべきではないように、知恵は学習と思索に基づくべきであり詭弁を使って競うべきではない。
 こんな論理ゲームがある。Aはこう言う「私は彼を愛している。しかし彼には家庭がある。従って・・・。」Bはこう言う「彼には家庭がある。しかし私は彼を愛している。従って・・・。」Bの理屈を使えば略奪愛が肯定される。しかしこの両者が依って立つ根拠は全く同じものだ。根拠が同じであれば違う結論に至る筈が無い。だからこれは詭弁に過ぎない。2+3であろうと3+2であろうとどちらも5だ。朝三暮四のような幼稚な詭弁に過ぎない。こんな誤魔化しの技を磨いても少しも利巧にはなれず却って阿呆になるだけだ。
 一方、誤魔化しを見破るテクニックは必要だ。私が詭弁やパラドクスが大好きなのは誤魔化すためではなく誤魔化されないためだ。詐欺師になることを勧めないが詐欺を見破ることは必要だ。
 「アキレウスは亀に追い付けない」という古典的パラドクスがある。アキレウスが亀のいた場所に辿り付いた時、亀は更に先に進んでいる。これを無限に繰り返すのだから追い付けない、という理屈だ。
 数学を使えば簡単に解ける。無限級数は収束するからだ。無限回の繰り返しを無限時間と混同するから誤魔化されるだけだ。有限の線分上に無限の点があっても線分の長さは無限にはならない。誤魔化すテクニックなど要らない。議論を通じてお互いの理解を深めて共に高まる正しい論理力こそ必要だ。これはディベート力とは対極のものだ。