俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

薬のリスク(7)

2014-08-21 10:09:54 | Weblog
 薬は危険だ。薬は元々、人体に異常反応を起こさせる劇物だ。毒を以って毒を制すことが薬効であり、有害性が現れないギリギリの量が処方される。
 食品に添加される保存料も多くは有害物だ。しかし使われる量が薬とは全く違う。安全な量の1/100以下しか使用が許されない。綱渡りのような薬とは違ってかなり安全だ。
 なぜかマスコミは食品添加物を目の敵にしたがる。添加物の安全性は充分に管理されており、元々毒性を持つタマネギやジャガイモやトマトなどと比べて遥かに安全だ。タマネギは食材だから普通に流通しているが、これをもし食品添加物として使用しようとすれば多分数㎎しか許容されないだろう。それほど食品添加物は厳しく規制されている。
 薬は絶対安全な量であれば全然効かない。人体に異常反応を起こす量でなければ効果は無い。投薬と手術が有害と分かっていても許容されるのはそれによる治療が期待できるからだ。リスクに見合うベネフィットの可能性があるからだ。
 食品添加物のターゲットは様々な腐敗菌などだ。腐敗菌を抑えれば良いのだから絶対に安全な量で充分だ。人体に異常反応を起こすことが目的である薬とは全然違う。
 最も薬らしい薬とは抗癌剤だろう。抗癌剤の副作用の酷さはよく知られており、癌ではなく抗癌剤の副作用で死ぬ人も少なくない。命に係わる癌だからこそこんな猛毒が許容されている。それほど有害でありながら治療効果は殆んど無いらしい。運が良ければ進行を少し遅らせることがあり得るという程度だ。
 抗癌剤ほどではないがどんな薬も人体に異常反応を起こすために使われる。薬を常用すればその効果によって人体は異常になる。これは副作用ではなく「本作用」だ。

食傷

2014-08-21 09:43:18 | Weblog
 こんなジョークがある。
 ビル&ヒラリーのクリントン夫妻が動物園を視察した。動物の好みが異なる二人は別々に歩き、先にヒラリーがチンパンジーの檻の前に来た。チンパンジーが老いも若きも1日に何度も交尾をすると聞いて彼女は「必ずビルに伝えてね」と言った。少し遅れてビルが来た。案内係員はヒラリーからの伝言を伝えた。するとビルは、パートナーが毎回同じかを尋ね、チンパンジーが乱婚であることを確認してから「必ずヒラリーに伝えてくれ」と言った。
 人間のオスにも似た性質がある。同じ人と何度も性行為をすることは難しいが、相手が代われば何度でも勃起するらしい。男の困った性(サガ)だが遠いご先祖様から受け継いだ性質なのだから本能として諦めるしか無かろう。
 カブト虫のオスはもっと酷い。交尾を終えるとメスを角で遠くまで投げ飛ばしてしまうそうだ。これは別のメスと交尾することにより繁殖機会を増やすための行動だと言われている。
 動物のオスには繁殖のチャンスは無数回ある。だからできるだけ多くのメスと交尾しようとする。ところがその一方で、メスは交尾回数を増やしても殆んどが繁殖に役立たない。だからメスは多くと交尾することよりも良いオスを得ようとして選り好みをする。一夫一妻制は人類のメスの好みに迎合した、オスにとっては不合理な制度だ。
 食物も同じ物ばかりでは飽きるが「別腹」という言葉があるように全然違った物であれば食欲が刺激される。この性質があるからこそ食物が偏らず、様々な食材をバランス良く食べることに繋がるのだろう。
 単品食ダイエットが可能なのは、同じ物ばかりを食べることに飽きて食欲が湧かなくなるからだろう。栄養が偏り食べる量も減るのだから必ず(不健康に)痩せる。
 野生動物に肥満が見当たらないのは、餌が足りないのではなく餌の種類が少ないので食べ飽きるからではないだろうか。動物園では様々な食材が供給されるので食べ飽きない。だからパンダやコアラのような極端な偏食の動物以外には肥満が見られる。