俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

夏の梅雨

2014-08-24 10:08:32 | Weblog
 当たり前の話だが夏に梅雨がある訳ではない。日本の季節は四季ではなく五季だ。春夏秋冬プラス梅雨だ。ところが今年は梅雨明け後も梅雨時のような気圧配置が続いている。つまり南の太平洋の暖気と北の大陸(オホーツク海)の寒気が、日本列島の上空で拮抗し続けている。例年であれば太平洋高気圧の勢力が強まって日本列島がすっぽりと覆われて夏になるのだが、今年はいつまで経っても拮抗したままだ。
 こんなことは1993年以来のことだ。この年はいつ梅雨が明けたのか分からず、夏らしい夏を迎えないまま秋になってしまった。夏大好きの私としては最も嫌な年だった。冷夏と日照時間の不足のせいで米が戦後最大の不作になり米泥棒まで出没した年だ。
 今年の8月の日照時間は平年の半分以下らしい。降水量はたっぷりあるが、こんな気候は農業のためには良くない。今のところキューリやナスビなどに影響が出ているらしいが、このままだと少なからぬダメージになるだろう。
 最近の天気予報が当たらないのは予報官のレベルが下がったからではなく特殊な気圧配置のせいだ。普段であれば天候は西から東へと動く。西にあった高気圧や低気圧が東へと動くのだから予報し易い。ところが今のように南北の大気のバランスで天候が決まる時には予想が困難だ。前線が南へ動くか北へ動くかは南北の大気の力次第だ。まるで大相撲で両力士ががっぷり四つになっているようなものであり、どちらへ動くかは予想し難い。私は毎日何度も天気図を見て考えているので、予報し易い日としにくい日があることを知っている。天気図を全く見ない人が気象庁任せにして外れたら文句を言うのはフェアではない。天候が読める日もあれば読めない日もあるものだ。気象予報士は無責任な地震学者などとは違って「予知できる」などと大言壮語を吐かない。可能な範囲で知恵を絞って予報の精度を上げようとしている。
 8月が終わった時点でマスコミは異常気象だと騒ぎ立てるだろう。確かに特殊な気象ではあるが所詮20年に1度のレベルだ。20年に1度と言えば珍しいように思えるが、20回に1度の外れクジのようなものだ。月単位で把握すれば2年に1度程度(12か月÷20年)だから誤差の範囲内だろう。

精神病薬

2014-08-24 09:32:04 | Weblog
 精神病薬は、猛毒である抗癌剤以上に危険な薬だろう。薬は人体に異常反応を起こさせる劇物だが、精神病薬は脳に異常反応を起こさせることを目的とする。脳が異常な状態になれば体が正常かどうかを判断する主体が無くなってしまう。そうすると薬によって全身が蝕まれてもそのまま服薬を続けて廃人になってしまう。脳は文字通り中枢であるだけに脳の異常は精神の異常に留まらない。歩けないどころではなく全く動けないという症状まであり得る。
 現代の医療は、患者の不快な症状を緩和する対症療法に過ぎない。原因を問わず、症状が緩和すれば薬効があったと見なされる。下痢止め、解熱剤、頭痛薬などのお馴染みの薬はどれも100%対症療法薬であって治療薬ではない。これらで症状を誤魔化している間に自然治癒力が働くので効いたように錯覚するだけだ。対症療法は治療ではない。
 こんな低レベルな医学が脳の病気にどう対処するのか。昂奮を鎮めたり、抑鬱感を軽減したり、妄想を治めたりすることを医師は治療だと思っている。しかしこれらは麻薬や危険ドラッグで快楽に溺れることと何ら変わらない。治療効果は全く無い。
 精神病薬が効くのは全くの偶然だ。精神が「フ」の字型に歪んでいる時に薬によって異常反応を起こさせれば運良く「-」の字型に戻るかも知れない。しかし殆んどの場合「コ」の字型や「カ」の字型や「ウ」の字型に歪んでしまって却って重篤化する。素人が自動車を改造するようなものであり大半は悪化する。
 薬とは人体を異常にするものだ。異常な状態を更に異常にして正常に戻るのは稀な僥倖に過ぎない。殆んどの場合、更に異常になる。
 精神病薬が対症療法に過ぎないということを再認識する必要がある。暴れる患者を鎮静化させることぐらいならできるだろうが、それはロボトミー手術のようなものであって治療ではない。麻薬や酒による一時凌ぎのようなものだ。薬で治療できると考えるのは医師の思い上がりだ。