「怪物」と呼ばれる1年生スラッガー清宮幸太郎選手が所属する早稲田実業が甲子園出場を決めた。0ー5の劣勢から、8回に一挙に8点を奪うという派手な逆転勝ちだった。
ところで「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔投手は相変わらずファーム暮らしで、3年12億円と言われる大型契約をしたソフトバンクにとってはとんだ高い買物になったようだ。松坂投手が平成の怪物と呼ばれたのは「昭和の怪物」がいたからだ。そんな元祖・怪物とは江川卓投手だ。実は彼が怪物と呼ばれたのは単に力量がズバ抜けていたからではなかった。藤子不二雄氏の漫画「怪物くん」の主人公と耳がよく似ていることからクラスメイトが付けたあだ名とのことだ。このことを知れば江川氏が妙に可愛く感じられる。
江川氏はドラフト制度の「空白の一日」という盲点を突いて不正に入団しようとしたせいでダーティなイメージを持たれ勝ちだが実はフェアな投手だった。プロ野球の9年間での与死球はたった23回。頭部を掠めるような際どい球は見た覚えが無い。際どい球を「投げなかった」のか「投げられなかった」のかは定かではないが、高校1年の時に受けた死球がトラウマになっていることは間違いなかろう。秋の関東大会の対前橋工業戦で頭部に死球を受けて入院したという苦い経験を持つだけに死球の怖さを人一倍知っていたのだろう。
ベースに被さって構える打者にインハイの球を投げることは許されている。仮に当たってもそれがストライクゾーンであればデッドボールにはならずストライクになる。ケンカ投法とも評された東尾修投手であれば迷わずにインハイに投げた。ルール上、当たるほうが悪いからだ。インハイに剛球を投げれば打者に恐怖心を植え付けて投手が有利になる。しかし江川氏はそれをしなかった。勝負に徹しない姿から「手抜き」とまで言われたがこれは氏の優しさの表れだろう。
江川氏のイメージを悪化させたプレイがある。ピッチャーライナーから逃げたからだ。あの大きな体で形振り構わず逃げる姿は滑稽だった。9人目の野手であることを放棄したこのプレイは散々非難された。しかしその後、何人かの投手がピッチャーライナーを捕ろうとして怪我をしたことを考えるなら、これは決して間違った対応ではあるまい。硬球の怖さを誰よりも知っているから迷わずに逃げたのであり、格好悪いが1つの勇気ある行動とも言えるだろう。
ところで「平成の怪物」と呼ばれた松坂大輔投手は相変わらずファーム暮らしで、3年12億円と言われる大型契約をしたソフトバンクにとってはとんだ高い買物になったようだ。松坂投手が平成の怪物と呼ばれたのは「昭和の怪物」がいたからだ。そんな元祖・怪物とは江川卓投手だ。実は彼が怪物と呼ばれたのは単に力量がズバ抜けていたからではなかった。藤子不二雄氏の漫画「怪物くん」の主人公と耳がよく似ていることからクラスメイトが付けたあだ名とのことだ。このことを知れば江川氏が妙に可愛く感じられる。
江川氏はドラフト制度の「空白の一日」という盲点を突いて不正に入団しようとしたせいでダーティなイメージを持たれ勝ちだが実はフェアな投手だった。プロ野球の9年間での与死球はたった23回。頭部を掠めるような際どい球は見た覚えが無い。際どい球を「投げなかった」のか「投げられなかった」のかは定かではないが、高校1年の時に受けた死球がトラウマになっていることは間違いなかろう。秋の関東大会の対前橋工業戦で頭部に死球を受けて入院したという苦い経験を持つだけに死球の怖さを人一倍知っていたのだろう。
ベースに被さって構える打者にインハイの球を投げることは許されている。仮に当たってもそれがストライクゾーンであればデッドボールにはならずストライクになる。ケンカ投法とも評された東尾修投手であれば迷わずにインハイに投げた。ルール上、当たるほうが悪いからだ。インハイに剛球を投げれば打者に恐怖心を植え付けて投手が有利になる。しかし江川氏はそれをしなかった。勝負に徹しない姿から「手抜き」とまで言われたがこれは氏の優しさの表れだろう。
江川氏のイメージを悪化させたプレイがある。ピッチャーライナーから逃げたからだ。あの大きな体で形振り構わず逃げる姿は滑稽だった。9人目の野手であることを放棄したこのプレイは散々非難された。しかしその後、何人かの投手がピッチャーライナーを捕ろうとして怪我をしたことを考えるなら、これは決して間違った対応ではあるまい。硬球の怖さを誰よりも知っているから迷わずに逃げたのであり、格好悪いが1つの勇気ある行動とも言えるだろう。