俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ハイブリッド(2)

2015-08-08 10:23:56 | Weblog
 生物にとってハイブリッド(雑種)化が好ましいことは明白だが、日本人にとってそれが良いことなのかとなると疑問が生じる。人間は本能だけではなく文化に基づいて生きているからだ。本能はどの民族にも共通だが、異文化、特にイスラム文化は日本人には受け入れ難い。自由であることにすっかり馴染んでしまった日本人が戒律だらけのイスラム文化に耐えられるだろうか。
 酒は飲めないし豚肉も食べられない。断食や1日5回の礼拝を強制されるわ、美女のグラビアを見ることも禁じられるし、キリスト教的文化は本も映画も楽しめない。多分、仏教も神道も否定される。これだけの不愉快に耐えてまでムスリム(イスラム教徒)を伴侶にする人はかなりの変人だろう。多くの場合、相手に信仰を放棄させているのではないだろうか。
 それだけにイスラム系民族との混血の著名人は少ない。ダルビッシュ有投手以外には思い当たらない。キリスト教についてなら日本は明治維新以来かなり受け入れているからさほど違和感が無いがイスラム教とのギャップは埋め難い。しかし文化の壁を乗り越えて生まれたハイブリッドは素晴らしいアスリートや美男美女揃いだ。
 野球では世界のホームラン王の王貞治氏や連続試合出場記録保持者の鉄人・衣笠祥雄氏、あるいは元祖・甲子園のアイドルの太田幸司氏などヒーローが綺羅星の如く並ぶ。大横綱の大鵬関やハンマー投げの室伏広治選手もいる。身長によるハンディが大きいバスケットボールやバレーボールの選手のことを私はよく知らないが多分、大勢の混血選手が活躍しているだろう。
 芸能界はもっと凄い。最近は混血であることを「売り」にしてローラさんなどのように片仮名の芸名を付ける人が多いが、漢字・平仮名の芸名を持つ混血の芸能人は昔から少なくない。松坂慶子、鰐淵晴子、前田美波里、南沙織、安室奈美恵、宮沢りえetc.etc.。
 こうして見ると妙にアスリートと芸能人に偏っていることに気付く。文化人は一人も思い浮かばない。両親から異なった文化を教えられてその葛藤を通じて真にグローバルな思想を説く人など全く思い当たらない。生物としてはハイブリッド化が好ましいことであっても、人類には文化という第二の天性がありその壁は高く険しい。動物と同一視すべきではなかろう。猿でさえ他の群との協調は難しいのだから、先駆者は大変な苦労を強いられるだろう。

薬物療法

2015-08-08 09:42:06 | Weblog
 医療の名の元でデタラメが行われている。対症療法は殆んどが駄目だが特に酷いのが精神医療だ。精神病の中では最も身近な鬱病と認知症を例にする。
 なぜ鬱病を発症するのか。先天的な原因もあるだろうが後天的な要因も少なくなかろう。大きな原因は、仕事と家庭での問題だろう。ブラック企業で毎日過酷な労働を強いられている人や、鬼嫁や家庭内暴力の息子に耐えられない人が欝状態になることは誰にでも理解できる。これは異常な反応ではなく正常な反応と言えるだろう。その患者に対して精神科医は何をするか?抗鬱剤を処方するだけだ。不幸であることを感じなくなるハッピードラッグを投与する。不幸と感じなくなれば現状がそのまま肯定され、患者はどんな酷い状態であってもエヘラエヘラと笑っている無気力人間に作り変えられる。これが治療だろうか。これは正常な人を狂人に変える蛮行だ!過酷な状態を放置してそれに不満を感じる主体を狂わせることが治療なのだろうか。
 認知症患者の中には暴力的になる人がいる。看護や介護をする人にとってこれは最も迷惑なことだ。自活できない認知症患者のためには患者本人だけではなく世話をする人のことも配慮する必要がある。そこで精神科医は鎮静剤を処方する。鎮静剤によって患者は大人しくなりメデタシメデタシ・・・・?鎮静剤とは何だろうか。これは意欲を削ぐ薬だ。考える意欲も行動する意欲も失った患者は寝たきりになる。これが治療と言えるのだろうか。これでは禁止されているロボトミーを薬物によって行うのと同じだ。ロープや手錠などで拘束するよりもずっと酷い処遇ではないだろうか。廃人にされるよりは囚人のように鉄格子の中に閉じ込められるほうが遥かにマシだろう。暴力を振るう認知症患者は殺人犯よりも酷い処遇を受けている。
 これらに誤診と医原病が絡むからとんでもないことになっている。高血圧症と診断されて降圧剤を処方された患者が軽い欝状態に陥ることがある。これは必要以上に血圧が下げられたために脳に充分な血が巡らなくなるために起こる。ところがこれを鬱病と誤診して興奮剤が処方される。元々鬱病ではないのだから興奮状態になって暴力を振るうということも起こり得る。そうなると今度は鬱病ではなく認知症や統合失調症と診断され強力な抗精神病薬が投与される。デタラメだ、全く馬鹿げている。発端になった降圧剤をやめるだけで治る筈なのに、誤診に基づく薬物療法によって脳が壊されてしまう。誤診スパイラルによる廃人化だ。
 こんな蛮行が精神科医によって行われている。これが医療だろうか。これらは治療ではなく犯罪だ。これが精神科医による薬物療法の正体だ。統合失調症患者に対する仕打ちはこれらよりも更に惨い。