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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第二十三弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は似鳥鶏作品3つ、中山七里作品1つ、益田ミリ作品1つについて読書感想文として紹介しよう。
「47都道府県女ひとりで行ってみよう(2011年4月 幻冬舎文庫) 益田ミリ 55」
30代後半の独身女性が全都道府県に”ただ”行ってみて何かするというテーマが面白そうで手に取ったのだけど実は15年も前の作品で肝心の作者はワタクシの2歳年上だったという。
そのため時代に合わない件や事柄もあるが、女性ならでは視点、その場を取り繕うために嘘をつく様子、海鮮が苦手であることもあって地元グルメを食さず、宿泊先で買ってきたものを食べるとか、メチャクチャ割り切っているところが面白かった。
だけど、構成は単調になりがちであることと抑揚も少ないので単読物と感じてしまった。
しかし、毎月しっかり目標目的を完遂したことは感服するし、毎月平均6~7万円ぐらい旅行費として投資していたことは実に感心するルポだった。
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「戦力外捜査官 姫デカ・海月千波(2013年10月 河出文庫)似鳥鶏 61」
まずお断りを。
本作は2014年にドラマ化されているが、同小説に関しては全くの別物。
ドラマのほうはキャストの設定を一部引用しただけの完全別作品だった模様。
さて本作は「戦力外捜査官シリーズ」の1作目。
出来るだけリアルに近づけようとしているけどフィクション感がどうしても拭えないところがあるというような作品。
どうやら、登場キャラの設定がいいので実写系のドラマ化がなされたのかも。
たしかにドラマに出来そうな切り返しが多いので、この作風の似鳥ワールドならドラマに合致したのかもしれない。
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「【改題】神様の値段 戦力外捜査官(2015年3月 河出文庫 )似鳥鶏 59」
「戦力外捜査官シリーズ」の2作目。
いよいよ主人公の本当の意味での能力の片鱗が描き始められることもあって面白くなりつつある。
だけど大筋のストーリーとしてはアリガチで、なおかつ登場人物があまりにも多すぎて萎えてしまった。
唯一の救いは、自分が予想していた展開よりも一段深いところまで仕組みがあったこと。
でも好ポイントは読みやすいこと。
ただそれだけなんだよなぁ。
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「【改題】ゼロの日に叫ぶ 戦力外捜査官(2017年9月 河出文庫)似鳥鶏 50」
「戦力外捜査官シリーズ」の3作目。
自分自身が自分の読書人生で最も読む時間がかかった作品になった。
なぜかというと、一層バイオレンス色が強くなり、現実離れした点が挙げられる。
さらに登場人物が相変わらず多く、読むだけで整理が相当必要で難儀した。
ただ、オチ自体は叙述トリックを含め複数のトラップがあり、読み終わった際は、頑張って最後まで読んでよかったなと思うけれど、この続編が今後もあると思うと気が重くなったというのも事実。
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【今回のMVP→該当なし。次点ということで。】
「秋山善吉工務店(2019年8月 光文社文庫)中山七里 74」
前中盤までは、ガンコ爺さんの痛快物語かと思わせておいて、中盤以降から急に舵を切って、その爺さんの立場が変わってしまう謎解き作品に変貌する。
勿論、結末は予想もしないものだったが、中山七里作品にしては大回りした割にタイトル負けでフワッとしていた終わり方で、やや拍子抜けだったかな。
でも、さすがの展開ワークとオチの取り方など、やはり中山七里ワールドではあった作品だった。
過去作と軽くつながるという箇所が今回もあり、ファンをチョット楽しませてくれる介入も個人的には好きなんだな。
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