急に冷え込んできました
大阪の今日の最高気温は 午前2時ごろの 14.8度
それ以降は どんどん下がり続けているそうです
午前 2時が 最高気温って 面白いですね
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では11月の長居植物園 観察会の記録メモです
地史研究室で 植物化石の研究をされている塚腰さんも参加
化石だと 種類を決めるのに 葉脈が重要
植物にとって葉脈は 動物の骨と血管に当たります
今回は 木々の葉についての説明が中心でした
【ケヤキ】 ニレ科ケヤキ属
ケヤキの落ち葉には 2種類あり 一枚で落ちてるものと
枝先数枚の葉が付いたまま 枝ごと落ちてるものがある
落ちた 枝先には実が付いています
種を飛ばすために 羽代わりに数枚の葉をつけて 風を受けやすくしています
本来は 谷沿いに生えてることが多く
谷を吹き上がってくる強い風に乗って 飛んで行くのでしょうね
ケヤキの葉の特徴は 鋸歯(葉の縁のギザギザ)
丸くなって 先がとがっています
葉脈は 鋸歯の先に向かって伸びています
【クスノキ】 クスノキ科クスノキ属
クスノキの葉の特徴は 鋸歯はなく縁が波打っている
葉脈は 付け根あたりから三本の主脈が出る→三方脈
葉にたくさん付いている 黒い点々は
カスミカメムシが 汁を吸った痕
8月の観察会の時 今年の夏にクスノキの葉が 異常に落ちたのは
暑さで水分不足になり 身を守るために葉を落とした という説明を聞きました
ところがそれは間違いで
じつは このカスミカメムシの被害だったことが最近分かったとのこと
このカスミカメムシの被害は 2年前に見つかったばかり
なのに すでに日本中に広がっているそうです
【サザンカ】 ツバキ科ツバキ属
原種は九州南部で 基本 花の色は白
現在は ほとんどが交配種で 赤やピンクの色はツバキとの交配
そのため 区別が とても難しい
区別の一つに サザンカの葉の主脈に毛が生えている
但し 肉眼では 見るのは難しい
カメラのマクロで 撮ってみました・・・何とか見えます
花は 終わりに近づいていました
【トネリコ】 モクセイ科トネリコ属
木には たくさん実が 残っていました
トネリコの仲間は 樹液を水の溶かすと 青くなります
同じ仲間のアオダモの 名前の由来にもなりました
左下の写真が その実験です
木の枝を 水に漬けたら 青くなりました
この色には 蛍光物質があり 暗くして紫外線を当てると光ります
右の写真は 箱の中に入れて 紫外線を当ててるところ
人が多くて 私はよく見えませんでしたが ぼんやり光っていました
なぜ そういう物質が必要なのかは 今のところ不明
蛍光物質には 殺菌作用もあるので それも一つの理由かも?
シマトネリコでも 水が青くなるそうですよ
【ジャカランダ】 ノウゼンカズラ科キリモドキ(ジャカランダ)属
春に紫色の花がたくさん付きます
和名キリモドキというように 桐の花に似た花です
葉は十字対生:二枚が左右に付き 次の2枚は90度ずれて付きます
そして 左の大きな塊りが 一枚の葉
ちっちゃな葉が たくさん集まって 一枚の葉になっています
アップで見ると 小さな葉が 見事に並んでいます
木の枝には 葉が落ちた葉痕が付いています(左)
葉痕のない枝は その年に伸びた枝
というところから (右)の人の頭から上に伸びた枝が
今年に伸びた枝で 2mほど伸びたことになります
ジャカランダは 「世界三大花木」の一つ
伸びる訳ですね~
【エノキ】 アサ科エノキ属
今は アサ科ですが 以前はニレ科となっていました
葉の特徴は 付け根からの葉の広がりが左右対称じゃないこと
左が小さく 右が広くなっています
そして 葉脈は ケヤキのように鋸歯に入らないで ループを作る
↓ 実と 葉脈
【ユーカリノキ】 フトモモ科ユーカリノキ属
成熟葉(右上)は 鎌のように曲がり 幼木の葉(右下)は全く違う
成熟葉の 丸くかじったような痕は ユーカリハムシのカジリ痕の特徴
(上)葉脈は葉を縁取るように流れる
(下)白く見える点々は 油点
【クヌギ / アベマキ】 どちらも ブナ科コナラ属
葉もドングリも とても良く似ているので 区別が難しい
一番見分けやすい方法は 葉の裏
クヌギ(手前の葉)はつやがある
対して アベマキ(奥の葉) 白っぽく見えるのは 小さな毛が生えている
目では見にくいが 触るとよくわかる
アベマキは自生のものが多く クヌギは炭用に 植林されたものが野生化している