スティーブ@茅ヶ崎さんからの投稿です。
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さて昼食は飲茶です。
広東料理の本場ですから飲茶の店は数多くありますが、私が何時も訪れるのが名都酒家という店です。
理由は1300人収容の非常に大きな店で、姐さんの売り子達がワゴンで点心類を乗せて回ることで非常に雰囲気を感じるのです。
大きな店なので種類も大変多くて、また活気もあるので楽しいのです。加えてガムチョン(金鐘)という香港島の中心地にあるため定宿(何時もはアイランド・シャングリラ)にも近くて次の展開に便利なためです。
当地で飲茶で一番有名な店は、陸羽茶室という古くから常連中心に愛されている老舗があります。
しかしこの店は小さくて予約でしか入りにくいのと点心の種類が少ないという面があります。それにいわゆる古いタイプの老舗なので、店が客を選ぶような雰囲気があります。料理が美味しいのであれば我慢もしますが、この店の程度の飲茶は香港にはごまんとあります。数年前に発砲事件があり、あれから店の雰囲気が変わったと聞いています。
また飲茶で美味しい店を挙げるならば、やはり福臨門や金葉亭(コンラッドホテル)、嘉麟楼(ペニンシュラホテル)などの高級中華店になります。それぞれ店の威信にかけて優秀な点心師をおいています。しかしこちらもワゴンが回るような雰囲気ではありません。
我々は12時ころに入店しましたが、店内は見渡す限り丸いテーブルが配置されています。その中をゆったりとワゴンが回っています。ところがこの時点ではまだ客はまばらです。
実は香港では英国と同じで(植民地でしたから)昼食は1時からなのです。でもそれでも12時に来るのは、満員になるとワゴンの回りが遅くなり昼食に時間がかかるためです。
飲茶は広東出身の人々が「お茶を飲みながらおやつ(点心)をつまむところから発展しました。
ですから基本的には広東料理店に行かないと食べられません。
広東料理店は看板は店名に「○×酒楼」とか「○×酒家」と書いてあります。
飲茶の高級店では着席するとまずお茶の注文をとりに来ます。
普通は何も言わないとジャスミンになりますが、名都のような大衆店ですとボーレイが来ます。
お茶はポットで来ますが、中のお茶がなくなるとウエイトレスを呼ぶのではなくて蓋を逆さまにしておきます。
これが合図ですぐにお茶を入れてもってきてくれます。
飲茶は売り子がワゴンに乗せて回っています。
ワゴンの前には点心の名前を書いた札が下がっていますので、お目当てのものがあれば手をあげて来てもらいます。
これが高級な店ですと、このような売り子はおらずメニューの中から選んで注文します。ただこれだとすべての点心が同時に来てしまい、冷めてしまうリスクがあります。
この名都(メイトー)では数年前から大きなフロアの真ん中に出店のように数十種類の点心を売るコーナーを作りました。
これは客の人数が多すぎてワゴンの回りが遅いのと、香港人がせっかちな為です。
それで客は伝票を持ってこのコーナーに行き、お目当ての点心を受け取ってテーブルに持ち帰るのです。
その時に伝票に料金を示すスタンプを押してもらいます。
点心には飽(まんじゅう系)、餃(ギョーザ系)、肉もの、煮(煮物系)など多種類ありますが、多くが蒸篭(セイロ)に入っています。
ですからワゴンの名札ではわからないものは蓋を開けて見せてくれます。この辺りはドライに要らないものは「ノー」と言えば売り子も心得ています。
この日に食べた点心は、
▽点心の華とも言える魚翅灌湯餃(フカヒレ入りギョウザの入ったスープ)、
鼓汁排骨(スペアリブのトイチー煮込)、
焼賣類、
春巻類、
葱油餅(揚げネギモチ)、
蘿蔔糕(大根もち)、
腸粉(中華風クレープ)、
魚露芥蘭(中国ブロッコリー)、
▽皮付焼豚
でもう大満足でした。
なお、この名都は香港の飲茶店の中ではわりと高級な店に入るため、お値段は日本よりは安いですが香港ではやや高めです。
もしいわゆる大衆的な飲茶店を訪問したければ、地下鉄の油麻地の真上にある倫敦大酒楼がお薦めです。
ただしこちらはランニング姿で競馬新聞を見ながら点心を食べているオジサン達に混じって食べるようになります。
でも香港の庶民の方々ご用達の店でお値段はかなりお手ごろです。こちらではなんだか本当に香港庶民生活に溶け込んだ気分になります。
名都酒家
香港中環金鐘道95號統一中心4樓
電話2865-1988
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ご投稿ありがとうございました!