6/18 Fri.
*百貨店建築初の重要文化財に指定された「昭和建築の華」
B1Fの食品フロアにお気に入りDeliの
be Organic が出店していることを知り、久しぶりに何かテイクアウトして帰ろうと、帰宅ウォーキングコースをちょっぴり延長して
高島屋東京店@日本橋 に寄り道。
実は以前から興味津々で、機会を見つけて訪れたいと思っていた場所でした。興味の対象はデパート内のショップではなく、建物そのものなのですが。。。
なんたってこの高島屋東京店こそは、増築建築の名作と評され、百貨店として初めて「重要文化財」に指定された由緒ある建造物なのです。
おおっ、さすが日本橋のランドマーク! 堂々たる外観です。
ちなみに創建時の名称は日本生命館。
日本生命が建設し、高島屋が借り受け、1963(昭和38)年までは一部を日本生命東京総局が事務所として使用していました。
昭和初期らしいモダンさが特徴。
ルネサンス風様式を基調にした外観とは対照的に、玄関の細部装飾は和をモチーフとしたアールデコ調。
建築にあたり「東洋趣味ヲ基調トスル現代建築」というコンセプトが採用されているだけあって、歴史を感じさせる重厚な西欧建築様式の中に、和風建築の意匠が随所に散りばめられています。
左:アーチ型の水飲み場跡には、花をモチーフにした装飾が施されています。
右:和洋のデザインモチーフが融合した重厚な鉄扉。
中央通りに面したエントランス。
天井の高さに驚かされる、1階と2階2層分の吹き抜け。
約10mの大理石の柱が並ぶ様は壮観。
この豪華絢爛なデパートの設計は、設計図案競技で1等当選した建築家の高橋貞太郎(1892~1970)が担当。
天井は日本の伝統工法「格天井」が用いられ、ルネッサンス様式の中に和の薫りも。昭和8年の竣工から約30年間にわたる増築の際に、近代建築の手法をふんだんに取り入れつつ、歴史を刻む当初の景観と見事に調和する昭和建築の名作です。
ちなみに増築の設計担当は村野藤吾。
開業時から現役の金色に輝く扉のエレベーター6基。
機械は最新式に変わっても、今もエレベーターガールが手動でレバーを操作しています。
内かごの扉は真ちゅうの蛇腹格子で、昇降中に売り場が透けて見えるのが面白い。
創建時から変わらない高島屋東京店を代表する顔のひとつ。
2001年、百貨店建築としては初めて重要文化財に指定。
プレスリリースには「西欧の歴史様式に日本的な要素を加味した高橋貞太郎による当初設計部分と、近代建築の手法を駆使した村野藤吾の設計による増築部分から成り立っており、その全体が一体不可分の建築作品として完成度が高く、わが国の百貨店建築を代表するものの一つとして重要である」とあります。
昭和初期から現存する百貨店建築の中で最大級の規模を誇り、内外装とも当初の姿を良好に保っていることは大変立派なことだと思います。
■高島屋東京店
□10:00~20:00
□中央区日本橋2-4-1
□03-3211-4111(代表)