なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

オトコオミナエシやヤクシソウが咲いたよ~宇治川散歩2024/7中旬(2)

2024-07-20 05:38:00 | 植物

白虹橋を渡り、宇治川左岸を歩きました。
こちらは1.5~2車線道路沿いの林縁や川辺に、在来種中心に色々な花が咲きます。
春はスズシロソウやカテンソウ、ジロボウエンゴサクなど。
秋にはカエデドコロやコバギボウシにヒガンバナなど。
そして夏にも結構色々な花が見られます。
今回はどんな花が見られたでしょうか。今日は草本、明日は木本をお届けします。

前回同じ場所を歩いたのは6月初め。
その時に一番沢山咲いていた花は白いホタルブクロ(キキョウ科)でした。
あれから1か月以上経っているのでてっきりもう花が終わっていると思っていましたが・・・


めっきり少なくはなっていましたが、まだ咲いていました。
花を覗くと・・・前とは違い、雌蕊が三裂して受粉が終わっていました。
でも、まだ開きたての花もありましたよ。例年にない長い花期です。


お次は、御陵の森でも沢山咲いていたこちら、ヤブミョウガ(ツユクサ科)ですが・・・


花をよく見ると、黄色い雄蕊とぴゅんと伸びた雌蕊。
この間は見なかった両性花でした。透明感のある白い花弁が美しいです。


ヤブミョウガはどこにでも生える性質があるのか、建物の屋根がヤブミョウガで緑化されていました。
お次、見られたこの大型の植物。


タケニグサ(ケシ科)の花も咲き始めていました。
やんたんの工事現場ではもっと大型のタケニグサがびっしり生えていましたが、ここではレアです。
それもそのはず、パイオニア植物なので、このような場所には生えにくいのでしょう。

天ヶ瀬つり橋の近くには、ツル植物が沢山。
こちらは何の花だと思われますか?


こちらは、先日御陵の森でもご紹介したオニドコロ(ヤマノイモ科ヤマノイモ属)、その雌株です。
可愛い花を沢山付ける雄花は結構どこでも見られますが、雌花を付ける雌株は少なめです。
ここではこんな大株に・・


で、その横にはお馴染みの・・・


雄花ですね!
こちらも大きな株になっていました。お隣同士なので、受粉にはもってこいですね。


おっと、コカモメヅルを確認してくるのを忘れました。
次は必ず見なくては・・・
ここまでは左岸の山すそ側を歩いていましたが、途中で川側の歩道に移りました。
というのも、途中一昨年(?)の豪雨で土砂崩れが起こった場所が工事中で片側通行になっているからです。
一度そんな災害が起こると、復旧には長い時間がかかりますね・・・
でもその区間が終わると、また山すそ側に移動。
見たい花、咲いているかな~


ちょっとだけですが、咲いていました。
ムラサキニガナ(キク科)です。
すごく花が小さい上、離れた高い場所に咲いており、望遠で撮ったのでボケボケ。
まあ、近くで咲いていても揺れるのでうまく撮れませんが・・・


目立つ花ではありませんが、なぜか気になる植物です。
今年も見られて良かった~
さすがにもうないかなと思って歩いていくと、歩道の隙間から伸びた花を発見。
府道3号線側に点在しています。
花を見てみると、黄色と白の小花が沢山!


これぞ、去年発見したオトコオミナエシ(スイカズラ科オミナエシ属)。
姿はオトコエシに似ていますが、花がオミナエシの黄色と、オトコエシの白がミックスした感じ。
以前はオトコエシとオミナエシの交雑と言われていましたが、それは間違いで、
「オトコエシの種内倍数体間の交雑に由来すると考えられる」そうです。
(詳しくは、科研費データベースで「オトコオミナエシ」を検索してくださいませ)

理論も面白いですが、突然こんな場所に生えてきたことにもっと驚きます。


だって、オトコエシすら自生しているのを近場では見たことがないんですよ。
なのに、どうして歩道脇にオトコエシ由来の植物が生えてくるんでしょう。
よくダンプが走る場所なので、ひょっとしてダンプの土から種がこぼれた???

理屈はともかく、府道3号線に来てくれてありがとうです。


ここで終わりかと思ったら、もう一種類、こちらは歩道の川側の隅っこに生えていました。


明らかにキク科。下の写真を見ると、葉が思いっきり茎を抱いていますね。
こちらは、ヤクシソウです。
Wikipediaにはオニタビラコ属、松江の花図鑑にはアゼトウナ属となっています。
個人的には、アゼトウナと雰囲気が似ているので、そちらに一票です。


オトコオミナエシに対抗するかのように、びっしりと広がって生えていました。


ということで、宇治川散歩、何が出てくるか最後まで気が抜けません。
そういえばこの歩道、ホタルブクロなども生えてきたりします。
面白い場所ですね。

【撮影:2024/7/13  宇治川】




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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (shu2702)
2024-07-20 08:11:07
おはようございます。
昨夜、札幌のホテルにチェックインし、ようやくWi-Fiが使える環境下となりました。
さて、山は何度登っても初めての山だと言う格言がありますが、なつみかんさんの散歩道もいつも新しい発見がありますね。
今回はオトコオミナエシ、そしてヤクシソウでしょうか。
オトコオミナエシはなつみかんさんの記事で初めて知った植物です。
ヤクシソウの属名については、下記も参考になるかと思います。
https://mikawanoyasou.org/data/yakusisou.htm
Wi-Fiが使えるのはありがたいですね。
昨夜は見逃していた朝ドラを観たりしました。
それにしてもホテルの料金の高いこと。これまでの1週間分を合わせたものより高くなりました(笑)
返信する
宇治川・川岸沿いの散歩道 (ran1005)
2024-07-20 17:30:48
流石に宇治川河川沿いには沢山の野草が見られて、散歩し甲斐が在りますネ。
ヤブミョウガが建物の屋根を緑化してしまうのですか??
想像もつきません!
以前、金毘羅詣でをした時に階段の奥の草むらが文字通り、
一面のヤブミョウガの原になって居ましたので想像は付きますが・・・
ムラサキニガナ? 初見です。
何と珍しい!オトコオミナエシ?
見た事がある様な、無い様な⁇
此方では、はっきりと白いオトコエシを見かけますが・・・
もしかしたら見落としでで、オトコオミナエシかも知れません。
ヤクシソウが咲いたばかりの様で、美しいですネ。
小さな花ですのに・・・
大きく見えます。
返信する
宇治十帖 (ran1005)
2024-07-20 18:17:43
そうでしたか・・・
宇治川ですから、宇治川に由来する宇治十帖の最後のヒロイン浮舟の像だったのですネ。
私は、鼻から、光源氏像だとばかり思って居ましたヨ。
とても認識不足して居ました。
こんなコメントをしたら、紫式部のファンに叱られるかも知れませんが・・・
紫式部像は、あまり美人では無い印象を受けました。
独断と偏見で申し訳ありませんが・・・
返信する
知らないことの多い不思議な世界です (ninbu)
2024-07-20 20:13:00
なつみかんさん、こんばんは。

宇治川沿いの川辺には、本当にたくさんの野草や花を見ることがで
き、何度行っても花たちに出会えて、素敵な川ですね。

今回もたくさんの花たちに出会えたようですが、私が初めて聞く名
前の草本が多くありました。

タケニグサは初めて知りましたが、どこにでも見られる植物なので
すね。ケシ科ということで、葉や茎に含まれる乳液は有毒のようで、
命にもかかわる危険性もあるようで、出会っても触らない方が無難
ですね。

ムラサキニガナ、オトコオミナエシ、ヤクシソウも初めて聞く名前
です。オトコオミナエシはオトコエシとは別物なのですね。植物も
まだまだ知らないことの多い不思議な世界です。
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お疲れさまでした~ (なつみかん)
2024-07-20 20:47:27
>shu2702 さんへ
こんばんは。
札幌に戻ってこられたのですね。
ホテル料金、最近は本当に高いようですね。
随分ご無沙汰のように思いますが、何日行っておられたのでしょうか。
きっと沢山の美しい景色や、花たちをご覧になったのでしょうね。
千葉にお帰りになったら、暑さで倒れそうになられるのでは・・・

私は山には行きませんが、地元の川沿いで自然を楽しんでいます。
これだけ色々見られるのですから、有難いことです。
オトコオミナエシ、他の場所では見たことがないのですが、宇治では府道3号線沿いに点在しています。
やはりトラック運んできた説が・・(笑)

ヤクシソウはアゼトウナ属というのがやはりいいですね。
アゼトウナ自身は、以前白浜に行った時に山ほどみました。
可愛い花ですね。
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高い所好き!? (なつみかん)
2024-07-20 20:51:18
>ran1005 さんへ
こんばんは~
ヤブミョウガはちょっと暗い林床で群生していることが多いですね。
半面、屋根の上とか、わが家の雨どいとか(笑)に、生えるときもあり、ちょっと面白いです。
鳥が種を食べて落としていくのでしょうか!?

オトコオミナエシ、最初に見たときは遠目にオトコエシと思っていました。
ところが、写真を撮ってよく見ると明らかに白と黄色が混じっています。
本当に不思議ですねえ
純白のオトコエシはどこにあるのかなと思ってしまいます。
ヤクシソウ、少し咲く時期が早いように思います。
昔は秋のアザミと同じ時期に咲いていた記憶があります。
年々変わりますね・・・
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Unknown (なつみかん)
2024-07-20 21:01:01
>ran1005 さんへ
>宇治十帖... への返信
ran1005さんも光源氏像と思っておられたのですね。
よく考えたら宇治川の畔なので、宇治十帖というのが正解でした。
紫式部像は、美人というより幼いように見えました。
画像を参考に作ったようですね。
返信する
群生します (なつみかん)
2024-07-20 21:08:07
>ninbu さんへ
こんばんは~
困ったときの宇治川散歩、今回もまあまあの収穫がありました。
タケニグサは山を切り開いた工事現場の近くなどで、びっくりするほど群生することがあります。
他の植物がほとんど生えず、ちょっと異様な光景になります。
おまけに毒があるのですから、イマイチですよね。

でもタケニグサにはササヤキグサという素敵な別名があります。
実が風に吹かれてシャラシャラと音を立てることから名付けられたそうです。
それを「祖霊のささやき」と聞くらしく、そう考えるとやはりちょっと怖いですね。
返信する
おはようございます^^ (attsu1)
2024-07-21 07:34:39
一日遅れのコメントです。

ホタルブクロ、
さすがに見なくなったんですが、宇治川では咲いているんですね(@_@)
そして、ぶら下がっている花って、ついつい、
下からの写真を撮りたくなりますよね^^;

オニドコロ、コカモメヅル、
ホームグラウンドのほんの一角に、以前、
保護されているように一緒に咲いているところがあったんですが、
何故か、見なくなったんです(T_T)

そして、ムラサキニガナ、
目立つ花ではありませんが、なぜか気になる植物
そう思う花、私もあるので、分かります^^;

なつみかんさんには、地元の宇治川、
たくさん発見が出来る良いところですね^^
昨日、久しぶりに、富士山と忍野八海に行ってきました。
外国人観客の凄い人数に驚きました(@_@)
富士山は少し雲がありましたが、楽しんできましたよ^^
返信する
Unknown (natumkn)
2024-07-21 23:11:23
> attsu1 さんへ
こんばんは!
富士山と忍野八海に行かれてたんですね!
と言いつつ、忍野八海を知らなかった私‥
富士山の麓の湧水群なのですね。
外人さんが多いのも分かります。
私も今日久しぶりに京都市内に行き、昼食を食べたおうどん屋さんで、店員さんもお客さんも私以外全員外国人で、ここは日本か?と思いました。

いつも丁寧に見てくださってコメントをありがとうございます。
いつも見に行く場所と被り、共感してくださることも多く、私にとっても張り合いになります(^^)

明日からは京都府立植物園です。
ようやくネタ切れから脱することができそうです!
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