byヘニング・マンケル。柳沢由実子訳
スウェーデンの田舎町で不動産業者の女性が失踪。イースタ署のヴァランダーたちが捜索していると・・・彼女が消えた近くで農家が爆発炎上。焼け跡から黒人の指と南ア製の銃、ロシア製通信機器が見つかった。この事件は遠く離れた南アフリカ共和国にまで及ぶ。人種差別問題と政治的陰謀が渦巻く、不安定な政治、社会情勢の南アフリカで、隠密裏で暗殺計画が進行している・・・。この作品のなかでヴァランダー刑事は正当防衛とはいえ、人を殺してしまう。事件が解決した後、彼はひどい鬱状態に陥って・・・。前作『殺人者の顔』で、彼が自分で作った箴言「死ぬのも生きることのうち」を思い出す。刑事という職業はつねに死と隣り合わせ・・・過酷な職業である。