ココの確保に失敗して結局手術を中止してから、早や2年半近くが経ちました。
あの時はココの人間不信が残り、長期にわたって生活が不安定になった。
何度も消息を絶ったのに今も店で暮らしているのは、レオの存在があってこそだ。
レオもココの影響を受けながら、今は安定感を増している。
一方、春と晩秋のエクスカーションが一層鮮明になってきたココ。
一刻も早く手術して、あの種族保存本能の呪縛から少しでも開放してあげなければ。
年末のエクスカーションを終えた頃のココ
安定した生活や時には命の犠牲すら要求する種族保存の本能。
その行動は発情やエクスカーションと言う形で現れる。
その仕組みがホルモンの分泌なら、ホルモンを出なくするのが手術です。
人間の都合で子孫を作れなくするのではなく、あくまでもココ自身のため。
しかしその手術のためにココが今の場所に不安を感じ、そしてこの場所を諦めるなんてことにでもなればそれこそ本末転倒だ。
悩んでいるうちに、あっという間に過ぎた2年半でした。
今月初めのバカ陽気が続いた頃のこと。
年末からのエクスカーションが一段落したココがまた外泊した。
しかも連泊。ただ、昼間に1,2度食べに戻った痕跡があった。
ココは食べ物のないところで新しい生活を始めようとしているのだろうか。
そう思うともう猶予はないと思い、病院に連絡して手術を予約した。
手術日は3週間先の、今日だったのです。
再びのココの外泊中、レオは寂しそうだった
今日までの間、レオやテンちゃんの手術の記録を読み返しつつ最善策を考えた。
しかし当時の知識少ない自分の行動は、今の参考にはならなかった。
ましてや今回の決定的な違い、ココがまだ触れないということだ。
で、最終的に決めたのが当日レジ室に閉じ込め、好物のシーバを食べているうちに大きなたも網を被せる方法。うまく被せたら毛布で覆い、3人掛りでキャリーケースに移す。手術から帰って来たら携帯用のケージに移す。それで一晩と翌日1日過ごしてもらう。翌日の晩にいつものレジ観葉室に開放し、その翌日は外に出ないで過ごしてもらう。その日もお客様は来るので、スタッフには大変な苦労と協力をお願いしました。さらにその翌日の昼前に、様子を見ながら開放して平常状態に戻すという筋書き。先生の言う養生日数には足りないけど、これが精いっぱいの道筋だと思いました。
それからというもの、毎日のようにイメージトレーニングに明け暮れた。
昨日は協力スタッフとともに予行演習を行って、問題点を洗い出した。
たも網は、長い柄付のものは最大45cm径しかなく想定より小さくなった。
3,700円の出費。
そうして緊張の中迎えた今朝、開店時刻前のこと。
最初から、猫たちの様子がいつもと違っていた。
今は2匹安定して過ごしているが・・
いや、実際にはいつもと違ったのはこっちの方で、猫たちはそれを察知したのです。
そわそわと不安そうに警戒する2匹。
ココにシーバを与えると、一粒づつ振り返りながら食べ始めた。
これは無理だと思いながらもうやるしかない。
案の定逃げられた。たも網の先すら触れなかった。
警戒心全開、怯えた表情でキーパーの上の奥に逃げ込んだココ。
2年前と同じテツは踏まないと、深追いはせず早々に中止を決めました。
その後レオは開放し、ココもしばらくして人目を盗んで外に出た。
朝食の時間になると2匹戻ってきたが、ココはレジ室に入ろうとしない。
どうやら人よりも場所に恐怖心を覚えたようだ。
しかし午後になるとココもレジ室に入ったり、バカ陽気の下春眠に耽っていた。
早々の中止が功を奏したか、ココのダメージは少なくて済んだようです。
外泊から戻ったココがレオに合流したとき、2匹とも本当にうれしそうだった
あーあ、猫を侮ってはいけません。
たとえわずかであっても、彼らはこっちの緊張を読み取るのです。
どんな方法であれ、人がその気のない猫を捕まえるなんて無理なのだ。
先生に連絡して謝ると、3日後の再挑戦を提案してきた。
確かに春の陽気がどんどん増す中、躊躇している猶予はない。
しかし・・・
果たしてその提案に乗るかどうか、ただ今思案中なのであります。
ココのいない間、Aさんにべったりだったレオ