先日、ネコ好きの常連客さんから伺った話。
近所のとあるところ(場所は秘密)にエサやりさんが来て、数匹のノラが集まってくる。その中の1匹がシャッポに似ていると。それでシャッポの思い出話に花が咲きました。
店の風景とよく馴染んでいたシャッポ
3年前の今頃は忘れもしない、足を棒にしてシャッポを捜していた頃です。
年末の慌ただしいときに忽然と消息を絶ったシャッポ。ある朝、店に来たらいなかった。今のレオのように何ひとつ不自由なく、スタッフに可愛がられ、自分とは相思相愛の仲だったシャッポがそんな暮らしに背を向けたのです。延々と続けた捜索も空しく、シャッポは行方知れずとなりました。
当初は事件事故の可能性も疑ったけど、結局やはりシャッポは自分の意思で行動したのだと思うようになった。当時はノラたちのために何かできればと動き始めたときだっただけに、身近にいたシャッポの失踪はショックでした。自分はシャッポのことをどのくらい理解していたのだろうか。その後のシャッポカテゴリーには、膨大な思いを記事にして書き込むことになったのです。
店の中が見回せるシャッポお気に入りの場所
一方、店に居着いてもうすぐ1年になるレオ。シャッポの在店期間を抜いて今も安定した生活を送っています。しかしレオも昼間は自由の身、短時間だけど姿を消すときがある。どこまで足を延ばしているのかわかりません。レオもいつしか、この店を後にするのだろうか。
ギフトコーナーや観葉の部屋で遊ぶレオ
シャッポとレオ。
これまでさんざん書いてきたシャッポ失踪の「何故?」「どうして?」。 この疑問がちょうど始めたばかりのこのブログの出発点となり、その後の自分の思考や行動の原点となりました。シャッポが店にいたときの状況をレオと比較して、何が違うのか今一度考えてみます。
スタッフとの間柄
どちらも良好。とは言えスタッフは日頃から多忙で、基本的にネコの面倒はみない。何かと面倒みるのは自分(オジン)だけど、シャッポのときと比べて今は半分程度しか出勤しない。それに自分の考えも変わってきてあれこれ強制しなくなったので、レオはシャッポと比べて自由度が高い。それでも自分の意志でスタッフに付き纏っています。
プリンター上の箱で寝呆けるシャッポ
お客さんとの間柄
レオは特定の人を除いて逃げ回る。シャッポは誰にも愛想がよかったけど、店頭でいじめに遭ってからはスタッフ以外の人を警戒するようになった。
お友達
レオは店に現れたときテンちゃんに迎えられたが、当時のテンちゃんは療養のため本拠地を家に移していたので会う機会は多くなかった。シャッポはニャーとチビに迎えられ、しばらく仲良し3匹時代が続いた。しかしチビが不幸な事故死を遂げてからはニャーを襲うようになり、結局ニャーをわが家に追い払った。
敵役
レオにはモドキ、シャッポにはダイフクという敵役がいる。共に敵役にやられて怪我をした経験があるが、その後モドキもダイフクも穏やかになって殆ど敵意を見せなくなった。レオはやがて怯えが消えて、モドキに会うと(スタッフがいるので)唸りまくる。一方シャッポはひたすらダイフクの影に怯えまくった。
恋行動
レオは去勢し、シャッポは未去勢。レオは手術前はミケチビに言い寄ったが見事に失敗。その後は手術したので発情なし。子猫だったシャッポは、1才強で失踪するまで発情しなかった。シャッポの失踪が初めての恋行動だった可能性はある。
彼女
レオは当初店に通っていたミケチビに言い寄ったが振られ、去勢手術後の生活が安定してきた頃に会ったミセミケにも恐がられた。一方、店時代のシャッポはまったく女っ気のない生活だった。
日常生活
レオは夜(非営業中)だけ観葉・ギフト室にお泊り。シャッポは何回か事務所に泊まらせようとしたが人がいなくなると大暴れし、自傷事故の懸念があったのでお泊りを諦めた。当時は、まだ観葉室・ギフト室に泊まらせることは許されてなかった。なのでシャッポは店に居ついたノラという立場だった。
レオの寝床はギフトコーナー(レジ室)にいくつか置いてある
性格
レオが店に来たときは1才弱。人は恐がらないが寄って来られると逃げるいわゆる"寄り逃げ猫"だった。今では一部の人には抱かれても平気。シャッポは警戒心の強い子猫で、店に来たときも1ヶ月以上姿すら見せなかった。一度会ってからは急速に懐いて人を選ばない甘えん坊になったが、その後いじめに遭い、再び警戒心が強くなった。
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こうしてみると、レオはシャッポと比べて随分待遇が改善されているんだなと思います。去勢によって、命すら顧みない野生の法則(恋行動)から開放されたのは大きい。自分があまり干渉しなくなったのも大きな違いだ。自分としてはこっちの方が日が当たるとか、お子さんが来たので避けた方がいいとか気配りのつもりでも、シャッポにしてみれば余計なお世話だったに違いない。
もしシャッポがレオのような環境だったらどうだろう。まあ、今更考えても詮方ないことではあるけど、シャッポもレオのように手術を受けて抵抗感のない大部屋でお泊りしていたら、状況は変わっていただろう。
ご飯待ちのニャー(手前)とシャッポ
被保護生活を強いるのだからある程度の拘束はやむを得ない。でもだからと言ってネコ族本来の生活スタイルをおろそかにしてはいけない。彼らの尊厳を十分に尊重し、配慮することで彼らのストレスや不安を解消する。それが対等なお付き合いの原点なのかもしれないな。
時折風来坊の顔を見せるシャッポだった(再掲写真)