今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

白馬の騎士、シャームとソトチビを偲ぶ

2021年09月04日 | ソトチビ
月日の流れは早いもので、ソトチビが姿を消してから3年半が経ちました。
ソトチビが家裏に現れたのは2015年の9月。
その時は齢(よわい)6~8ヶ月の子猫だった。

すぐにみうを連れてきて、家裏で暮らし始めたみうのもとに通い始めた。
それからの1年と8ヶ月、2度の冬を家裏でみうと過ごした。
しかしお隣さんの工事がきっかけでみうを家中に保護すると、失意のソトチビは姿を消した。
認め合ってはいてもソトチビは触れない状態で、保護ができなかったのです。

「ここにはおいしいご飯があるよ」:みうを連れてきたのはソトチビだった

それから4ヶ月、2017年の9月にソトチビが再び現れる。
しかも新しい伴侶なのか、今度はリンを連れてきた。
ほどなくしてリンは、2匹の息子キーとクウを連れて家裏に越してきた。
よちよち歩きの幼子にとっては大冒険の引っ越しだったに違いない。
そして、リンとソトチビとオジンの子育てが始まりました。

息子たちはソトチビによく懐き、オジンとソトチビには何度も命の危機から救われた。
やがて春になって息子たちの親離れが迫る頃、リンが発情してソトチビがそれに呼応した。
ソトチビが待ちに待った、その時がようやく訪れたのでした。

リン一家と一緒に食事中のソトチビ

しかしまたしても意地悪なオジンが、今度はリンをソトチビから取り上げる。
リンを保護し、緊急避妊手術を受けさせたのです。
その間、ソトチビは家裏で子供たちの世話をしながらリンを待った。
でも戻って来たリンはそれまでのリンとは違っていた。
それから間もなく、失意のソトチビは再び姿を消したのでした。

やがて2匹の子供たちは、一度はリターンしたリンとともにわが家に保護された。
その後もソトチビの再来を期していろいろ手を打ったけど、ついに実現せず。
むしろハリーとシロキ、続いてサクラやキジロが現れて、家裏には新しい時代の波が押し寄せて来たのでした。

リンの手術中はソトチビが息子たちの面倒をみた

ソトチビのイクメンぶりがコムギやシャーム(※)に似ていたので、リン一家との関係を類推したのがソトチビの前3記事。
そういえばNHKさんによるとコガネ(※)とコムギは今も達者だけど、シャームは最近になって残念ながら行方知れずになったとか。
くしくも現在、あの島ではどうぶつ基金さんによる猫たちの不妊手術が進んでいます。

シャームとソトチビ。
片やコガネ一家、片やみうやリン一家に幸せをもたらして自分自身は消息を絶った。
白馬の騎士でありながら、男はロマンとばかりに新たな旅に出たのだろうか。
なんて、カッコつけてる場合じゃない。
2匹がどこかで達者でいることを、そしていつか再会することを願って止まないのであります。

※珠玉のドキュメンタリー、NHK「ダーウィンが来た・猫特集」2話と3話の主人公たち

つつましくひそやかに
とにかく絵になったみうとソトチビの暮らしでした

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元気だそうです ~コガネとシャーム~

2020年03月09日 | ソトチビ
ソトチビの過去記事によく出てくるのがNHKの「ダーウィンが来た。」
2016年、17年、19年と3度の猫特集の主人公たち。特に第2弾で初めての旅(エクスカーション)に出て家族を持った女王ミュウの息子コムギ。そして昨年の第3弾では、ミュウを引き継いだコムギと双子の兄妹コガネの子育てを支える白馬の騎士シャーム。コムギとシャームのイクメン振りを中心に、愛情溢れる猫の家族を年月かけて地道に撮り続けた素晴らしいドキュメンタリーでした。


コガネ(左)とシャームと子供たち(NHK「ダーウィンが来た」より)

一方、わが家の家裏で2度の冬を越えてみうの下に通い続け、難聴のみうを守り励まし続けたソトチビ。その後も家裏に通って今度はリンの子育てを支えたが、そのイクメンぶりは2匹の息子たち(キーとクウ)の父親ではないかと思えた。このソトチビの行動が、コムギやシャームと似ているのでついつい比較してしまうのでした。


リンとキーの食事を見守るソトチビ(下)

その舞台、猫島で起こった嫌な事件に気付いたのは昨年の秋のこと。「猫島での毒餌事件、大量の変死が続いて猫の数が1/3に」というショッキングな記事がネットニュースに流れていたのです。関連記事を辿ると元の記事の発信は昨年の8月。コガネとシャームのドラマが放映された1か月後だ。まさか、不埒な人間がとんでもないことをしでかした? 果たしてコガネやシャームは、コムギは・・。


コムギ(NHK「ダーウィンが来た」より)

そのうち毒餌は島の住人の仕業だとわかった。それでもあの主人公たちが気になって、NHKに問い合わせてみたのです。2週間近く経って返信が来ました。確認したところ事件のあった猫島は馬島で、撮影を行った相島(あいのしま)とは違うと。それで調べてみると、何と福岡県には実にたくさんの猫島があるのでした。

ちなみに、犯人の老人はカラス駆除の目的で毒餌を置いたと主張しているそうです。カラスは動物愛護法の対象動物ではない。猫が犠牲になったことは「未必の故意」とか「認識ある過失」となる可能性もある。何とも腹立たしい事件ですが、NHKからはダーウィンが来たの主人公たちはみな無事に暮らしていますとの返事を頂いた。(脚注) 是非是非と、しっかりと続編のお願いをした次第です。

寂し気なソトチビ(消息を絶つ直前の後ろ姿)

さて、テツが存命のときからの付き合いでみうを知りリン一家を知る、このブログには縁の深いソトチビが姿を消してから2年が経ちます。みうを失ったことは何とも申し訳ないけど、リンを手術で別人(猫)に変えてしまったことも申し訳ないけど、果たしてソトチビがこの家族と再会したらどうなるのかと夢みたいに考えたり。

それより何より、とにかく達者で過ごしていてほしいソトチビです。


一見キジトラ特有のコワモテだけど、実はやさしくて穏やかだったソトチビ

※後注
その後のNHKさんへの問い合わせで、シャームが行方不明になったことを知りました。(2021.9.4記事参照)
小さな島での話なので、残念ながら人知れず亡くなった可能性が高いです。

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寝床から見るニャン歴史 ~ソトチビへの想い~

2019年12月27日 | ソトチビ
いよいよ年の瀬になりました。
そして寒さも本番になってきた。気象観測点のある市の中心から10kmほど離れた郊外の当地では、最低気温が天気予報の値より3~5℃くらい低くなる。それに当地の特徴として昼間は雲が多く、晴れマークでもすっきりとは晴れない。なので思いのほか寒いのです。

しんしんと冷える夜。暖を取れないモドキやキジロをはじめノラたちは本当に寒そうだ。家にも店にも数ヶ所に寝床を用意しているがなかなか使ってくれません。寝床は(体温の暖が)逃げないよう小さめにして穴の位置を工夫し、ふかふか布団を二重三重に敷き詰めてあります。置き場は雨はもちろん風も当たらないところ。利用していることが確認できれば、布団の間にカイロを入れて本格的に暖める。今のところ、サクラが家裏の寝床を利用中。

今日はソトチビのお話です(わが家に現れた頃)

家裏の寝床の歴史は、みうとソトチビのツーショットで始まった。みうのもとに通い続けたソトチビ。この2匹が2度の冬を過ごし、その翌年はリン家族が利用した。ソトチビは今度はリンのもとへと通い続けた。日暮れ頃になると現れ早朝には出かけることが多かったので、このブログでは「夜の訪問者」とも呼んでいました。

しかしその後姿を消したソトチビ。昨冬はついに現れなかった。いじわるオジンにみうを奪われリンを奪われ、失意が諦めに変わったのか新天地を求めたのか。今更呼び返そうとしても離れた気持ちは帰ってこない? 昨冬は黄色系ノラ(今のキジロとは違います)の餌場争奪戦があったりルイが現れたり、サクラは逃げ隠れしながら細々と食べに来ていた。物静かで遠慮深いソトチビの出る幕はなかったのかもしれません。


冬はぽっちゃりだが夏は壮観な体型だった

今年も早々に寝床を用意したのは、実はソトチビへの想いもあったからです。ソトチビはみうにとってもリン一家にとっても言わば恩人(猫)。その功績に報いたい気持ちは変わりません。今や常連となったサクラやキジロだって、要はソトチビが切り開いた道筋にあやかっているわけです。共同生活の得意なソトチビなら、きっと彼らともうまくやっていけるに違いない。

ソトチビよ、せめて一度でいいから無事を知らせておくれ。その時はお礼の大御馳走でもてなすから。


お前の無事と再会を祈ってるからな

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シャームとソトチビ、ある仮説

2019年08月02日 | ソトチビ
シャームと言えば覚えている方も多いでしょう。
先日(7/21)のNHK「ダーウィンが来た」に登場したイクメン猫です。同番組での猫特集は3回目。どれもこれもが珠玉のドキュメンタリーでした。第一弾はモテモテ女王ミュウの子育て。第二弾はその息子コムギの独り立ちとイクメンぶり。そしてあぶれオスによる子殺し。そのときもソトチビの行動と比較して感想を書きました。ミュウが亡くなったのは本当に残念ですが、今回はコムギとは双子になるミュウの娘コガネの物語。ミュウの後を継いで立派に成長した姿が描かれます。そして忘れてならないのがコガネにとってはまさに白馬の騎士、イクメン猫のシャームなのです。

シャーム (NHK「ダーウィンが来た」より)

表から陰からコガネの子育てをサポートするシャーム。コガネや子供たちが窮地に陥るとどこからともなく現れて敵を追い払う。後ろ盾だったミュウを失って心細いながらも気丈に子育てに励むコガネにとって、どれだけ頼もしい存在だったか。子育てが終わって次なる恋の季節、言い寄る数多(あまた)のつわものを追い払って、コガネが選んだのはあのシャームでした。相思相愛。コガネもシャームも一切浮気をしなかったとか。

コガネ、シャームと子供たちはフウにライ(NHK「ダーウィンが来た」より)

人間よりも人間味溢れたコガネとシャームの子育て。綿密に追い続けて、こんなに豊かな猫の感情と行動を映し出したスタッフの努力に感謝です。番組ではネコ科で家族を守るオスの存在は新発見だと強調していたけど、いたんですよね、ここにも。

2年半もの間わが家の家裏を中心にお付合いしたソトチビです。みうやリン一家がわが家の一員となるきっかけを作ったのに、自身は消息を絶ってしまった。月日の流れは速いものであれから1年半が過ぎた。ソトチビは今、達者でいるだろうか。

消息を絶って1年半になるソトチビ

ソトチビへの想いやその功績は同カテゴリーにさんざん書いてきたので、ここでは多くを書きません。でも、シャームの話を観ていたらソトチビを思い出さざるを得なかった。2年前の春にみうを家に迎え入れたとき、通いだったソトチビは外に残された。まだ十分に馴れてないソトチビを迎え入れるには時期尚早と判断したのです。それでもソトチビはたまに家裏にやって来た。そしてその半年後、秋になってリンが家裏に現れた。ある秋の日、ソトチビのご飯をリンが食べていたのでした。

そのときのことは今でもよく覚えています。あれ、違う猫が(堂々と)食べてる、と思ってふと見ると、そのすぐ先でソトチビがリンの食事を見守っていた。当時のソトチビは不定期にやって来たが時刻は夕方と決まっていたので、その時刻になると置き餌を出していたのです。それがリンの目に留まったと思ったけど、もしかしたらソトチビがリンを連れて来たのかもしれません。

子供の分もと大食漢のリンに自分のご飯を譲ることも

ソトチビとリンは一目で意気投合したわけじゃなくて、実は初めから知り合いだった? そう思うと今回の「ダーウィンが来た」の内容と照らし合わせても合点がいくのです。なぜソトチビはキーとクウにあんなに優しかったのか。みうを奪われてあぶれオスだったソトチビが、子殺しどころかリンの子育てを手伝ったその理由。それは、ソトチビが2匹の父親だったからではないのか。もちろん仮説に過ぎないが、説得力のある仮説です。

リン一家とソトチビ

みうと別れた(オジンにみうを奪われた)のが5月。キーとクウの推定誕生日が9月中旬。一般に猫の妊娠期間は2ヶ月なので、リンが恋に落ちたのは7月のはじめ頃になる。失意のソトチビとリンが出会って恋に落ちる時間は十分にあるのです。

もしソトチビがキーとクウの父親だったら、あの家裏での共同生活も全てが納得できる。2匹の子猫たちが、最初からソトチビに懐いていたのも納得ができる。ただ、キーとクウがあまりにもソトチビに似ていなかったので、当時は家族だなんて思いもしなかったのでした。

箱の中にクウとソトチビ、外にいるのがキー

シャームとソトチビ。2匹は猫という動物が如何に人間愛に溢れた動物なのかということを教えてくれた、貴重な存在なのかもしれません。

ああ、ソトチビよ、できたらまた会いたいものだ。


ソトチビとキー

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2019冬・ノラたちの今 ~その1:ソトチビの不明者リスト入り~

2019年01月26日 | ソトチビ
今朝、ちょっとした騒動がありました。
夜明けとともにわが家の家裏で2匹の猫のけたたましい喧嘩声。慌てて妻が追い払ったが2匹は数軒先に移動してまた喧嘩。妻が家に入ると家裏に戻ってきてまた喧嘩。今度は間に入って別々の方向に追い払ったそうです。その間、お隣さんと裏のお宅で雨戸を開ける音が。

いやいや、驚きました。昨年春はハリーとシロキの喧嘩声が地域の問題になって、まずハリー、そしてシロキを保護した11月に解決したばかりです。その間に現れた新顔ちゃんに出していたご飯にやってきたのが黄白猫(多分3年前にソトチビが連れて来た「お兄さん」)。夜になるとたまに顔を出す程度と思っていたら、もう1匹黄白猫が現れて喧嘩になったらしい。いや、もともと黄白猫は2匹だったのかもしれません。

新顔ちゃんの現れる時間が不定期なので、ときたま置き餌の形になっていたので他のノラを誘ったのでしょう。しかし過去のいきさつから、地域の問題を今以上に大きくするわけにはいかない。黄白猫たちには申し訳ないが、今後は新顔ちゃんを確認したときだけピンポイントでご飯を出すことにしました。新顔ちゃんも不便にはなるだろうけど、末永く見守るには近隣のお宅への配慮も欠かせません。(後注:この部分の話は2月2日「黄色いノラちゃん」に続きます。)

それにしても、黄白猫たちは丸々と太っていたとか。冬季のモフモフを考慮しても、「シロキ以上に太っていた」と。この地域では、ノラと言っても草原(休耕田)の先にある旧農家さんの外飼いニャンコの可能性が高い。ソトチビがそうだと推測されたように、2匹の黄白もそうなのかもしれません。

そのソトチビですが、ここにきて非常に残念ながら不明者リスト入りの決断をしました。
昨年2月末にリンの術後復帰と同時に姿を消したソトチビ。昨秋以来何とか呼び戻そうと寝床を整備して少量の置き餌で様子をみていたのですが、シロキの保護が遅れたり今度は黄白が現れたりといろいろあって、とうとうソトチビの姿を確認することはできなかった。


2015年9月、ソトチビ初めての写真(再掲)

ソトチビはまだテツが存命のときに現れた子ニャン。みう同様にテツの忘れ形見だ。晩年拒食症になったテツの残り餌を片付けてくれた。テツ亡き後は、テツ2世としてお迎えすることも考えたほどです。そのソトチビはみうやリン、キー、クウをわが家に紹介し、彼らが幸せになる手伝いをした。そして自分は、消息を絶ってしまったのです。


ソトチビはすぐにみう(当時「おかあさん」)を連れて来た(左端は「お兄さん」)(再掲)

ソトチビは殆ど鳴くことのない、物静かで気配を感じさせないニャンコ。今も草原の向こうからこの住宅街には散策に来ているとは思うけど、まったく姿を見ないと何かあったのかと心配にもなる。それを確かめる術はありません。でも、いつひょんなことで再会するとも限らない。


やがて居着いたみうと通いのソトチビ、家裏ニャン歴史の始まりだった

過去3度の冬にわたってソトチビが過ごした家裏の寝床は、今は冷たい空家となっています。その寝床も、ソトチビの思い出やヒストリーがいっぱい詰まった本ブログのカテゴリーも、そのままにしておきます。ノラの生活は波乱万丈。決して安住(あんじゅう)することはない。それが、ソトチビが最後に身をもって教えてくれたことになるのでしょうか。


(再掲)
きっとまた会おうぜ、ソトチビ

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