レオが去勢手術を受けました。無事に終わって只今養生中です。
今回は初めて耳カットをお願いしました。で、引き取りに伺ってびっくり。なんと左耳をカットされていた。こっちが驚いて先生も気付く有様でその後は平身低頭。手術前にあれほど♂だから右だと確認したのに・・。かくしてレオは、"おかまちゃん"になったのでした??
左サクラになっちゃったレオです
レオの耳カットには迷いました。将来レオをどう処遇するのかという判断の結果だったからです。家に保護して里親さんを探すといっても、どうしても入と出の帳尻が合わないから家の中が増えていく。最近家の中で起こっている諸問題を鑑みても、もう限界にきていることは明らかだった。だから外で暮らせそうな子は何とかそのまま引っ張ろうと。でも外で暮らせるという判断って、何だろう。これは自分の都合じゃないし選り好みでもないと、果たして胸を張ってレオに言えるのだろうか。
もともと自分にとって、地域猫とかTNRの概念は理解できても何かしっくりこないでいました。いい悪いの話より何より、それが当のノラにとって幸せなのかという根本の部分で懐疑的だ。Tについては、子供の頃親の田舎(実家)でねずみ捕りごと水桶に沈められたねずみを発見した。誰もいない納屋で、そのねずみはもがき苦しみながら、水中から澄んだ眼で必死にこっちを見ていた。そのねずみを逃がしてやって以来、罠という仕掛けを憎むようになりました。Rについてはかつてイエミケ(今のリン)で一度経験したが、結局直ぐに再び保護してしまった。
手術前のレオは休憩室で寝るほど店の一員になっていた
行政やボラ団の人たちがTNRを提唱する理由は「将来不幸になる子供たちを作らせない。」 その主旨にはもちろん賛同だけど、肝心の当の猫にとってどうなんだろう。手術のリスクはもとより、Rされても気が動転したり不安になったりでどこかに消えてしまう例もある、と病院の先生は言った。だとすれば当のノラにとってはまったく迷惑な話。そもそも将来世代に借金を回したり地球を破壊しながら今の文明を享受する現代人に、相手が猫とはいえ子孫のためにリスクをとれなどと言う資格があるのかな。結局、ノラを減らしたいという人間の都合に基づいた行動ととられても仕方がないと思うのです。
手術翌日は1日事務所で静養
しかし不妊手術は、やはり行うべきだと考えるようになりました。それはシャッポと付き合っているときにさんざん考えさせられたこと。「ノラの矜持」や「ノラの本懐」で書いてきたように、ノラには命にも優先させる"野生の本能"がDNAにインプットされていて、命を賭したり安定生活を突然反故にしたりするのはそのためだと思えるからです。それを実行させるのがホルモンだ。もしシャッポを手術してホルモン分泌の元を断っていたら、彼は全てが揃った天国のようなこの店を後にすることはなかったかもしれない。
少しづつ店内に復帰(まだリード付)
レオの手術は最初から決めていた。でもRというのは考えた末の決断だった。放任主義というか本人(猫)の意思をとことん尊重する妻はもとより、スタッフの殆どがこのまま店で過ごせればと希望していた。でもチビのように不慮の事故に遭ったりシャッポのように消息を絶ったりしたら・・。それに先生が言ったように、この店でRしてもこの店にとどまってくれるかどうか。いずれにしても、少なくとも3日(できれば10日)は経過観察をできる状態にするというのが先生の助言だった。糸を使わない縫合なので傷口が開いてしまう可能性があるのです。
病院から帰ったばかりのレオにはまだ麻酔が残る
ということでレオは今、事務所で安静に過ごしています。希望としては、まず第一にレオが本能の呪縛から開放された新しい人生(猫生)を手に入れること。そして雑念なくこの店を住みやすい場所だと気に入ってくれること。終生面倒見て幸せになってもらうにはそれが前提だ。 決して、子孫を減らすことなんかじゃないんです。地域猫活動(TNR)の手術には賛同するけど目的は違う。あくまでも当の本人(猫)が幸せになることが目的なんです。手術後直ぐにRだなんてもってのほかだ。
レオの手術後のRを如何にうまく行うか。これからが本番です。ひとつひとつ確認しながら、レオの現場復帰をサポートしようと思っています。地域猫活動は、将来ノラが減ると言わないとなかなか賛同してもらえないという実情はわかります。でも何百匹というノラをTNRしたと自負するのではなく、そのノラたちの1匹1匹が幸せになったかどうかを問題にしてほしい。不慮の事故などいろいろあるから100%は無理としても、できる限り幸せにしそれを確認するという方策を優先してほしいのです。
駐車場もちょっと散策(元の生活に戻る日も近い?)