終戦記念日の昨夜、NHKのドキュメンタリー「ノモンハン」を見ました。ノモンハン事件は、ソ連と満州の国境で起きた衝突で、太平洋戦争の始まる2年前に起きました。重要な歴史事象として学校で習いはしましたが、細かいことは全く知らず。それで、見ました。
この事件、ソ連・モンゴル軍と日本の関東軍が対峙したものですが、日本は大負け。対峙の様子を地図でみただけで、素人でも「これはたいへんだ」とわかる。戦線が長いのです。敵側は国境を侵略されているのだから、どんどん後方から戦車や物資を送り込んできます。でも、日本は、広い草原になにも築かないまま、戦線を拡大。さらに戦車も銃も旧式。生き残った101歳の将兵は、「戦車を見た時、もう駄目だと思った」といいました。日本の戦車より格段に大きい。さらに、食糧すら補給がとだえます。
番組のかなめは、この事件(将兵は「ノモンハン戦争」と言っていました)を起こすに至った経緯があいまいで、責任の所在が不明だということ。最近見つかった(らしい)、当時の参謀本部や関東軍司令部の生き残りに、戦後インタビューした録音テープ。彼らは一様にある人物~辻政信~を名指しして、彼に責任があることをにおわせます。
辻はノモンハン事件当時、関東軍の少佐。上層部とはいえ、軍部内での身分は高くはありません。しかし、強気の彼の主張に、彼の上司たちが引きずられた格好らしい。引きずられたことに対する反省もなく、半ば笑いながら当時のことをしゃべる参謀本部や関東軍の上官たちに、憤りをおぼえました。辻政信の名前は前から知っていましたが、すでにこの事件当時から強硬な態度をもって、作戦を指揮していたとは知らなかった。
事件は数か月で終わります。そのおり、撤退命令が下る前に(この辺、ちょっと不明なのですが)撤退した部隊の上官(中佐クラスだったとおもう)が、敗戦の責任をとって自決させられます。ほかにも数人いたらしい。責任を現場になすりつけ、彼らに、なぜ負けるに至ったか、敗因をきちんと聴取して今後の作戦に生かそうということをせず、殺してしまった。
太平洋戦争前に、すでに補給路なしの作戦は勝ち目が薄いとわかっていたのに、教訓を生かさずアメリカとの戦争に突入。無茶な戦争だったということのあかしを、またひとつ、知りました。
ところで、辻政信は戦後も生き延びます。戦犯にならずにすんだのは、南方で終戦を知った直後、逃亡したから。サンフランシスコ条約締結直前に帰国したものの、逮捕されることなくすみました。その後、南方で潜伏していた時の経験を本にしてベストセラーに。そして政界入り。衆議院議員に当選します。のちに彼は視察?先のラオスで行方不明になったとのことです。
日本では、戦中に軍部や政界の中心にいた権力者たちがそのまま戦後も中枢にいすわり、実権を握りつづけたケースは少なからずあったようですが、辻もその末端にいたのだなと知りました。暗澹たる気持ちが晴れないまま、しとしと降る雨を眺めています。
この事件、ソ連・モンゴル軍と日本の関東軍が対峙したものですが、日本は大負け。対峙の様子を地図でみただけで、素人でも「これはたいへんだ」とわかる。戦線が長いのです。敵側は国境を侵略されているのだから、どんどん後方から戦車や物資を送り込んできます。でも、日本は、広い草原になにも築かないまま、戦線を拡大。さらに戦車も銃も旧式。生き残った101歳の将兵は、「戦車を見た時、もう駄目だと思った」といいました。日本の戦車より格段に大きい。さらに、食糧すら補給がとだえます。
番組のかなめは、この事件(将兵は「ノモンハン戦争」と言っていました)を起こすに至った経緯があいまいで、責任の所在が不明だということ。最近見つかった(らしい)、当時の参謀本部や関東軍司令部の生き残りに、戦後インタビューした録音テープ。彼らは一様にある人物~辻政信~を名指しして、彼に責任があることをにおわせます。
辻はノモンハン事件当時、関東軍の少佐。上層部とはいえ、軍部内での身分は高くはありません。しかし、強気の彼の主張に、彼の上司たちが引きずられた格好らしい。引きずられたことに対する反省もなく、半ば笑いながら当時のことをしゃべる参謀本部や関東軍の上官たちに、憤りをおぼえました。辻政信の名前は前から知っていましたが、すでにこの事件当時から強硬な態度をもって、作戦を指揮していたとは知らなかった。
事件は数か月で終わります。そのおり、撤退命令が下る前に(この辺、ちょっと不明なのですが)撤退した部隊の上官(中佐クラスだったとおもう)が、敗戦の責任をとって自決させられます。ほかにも数人いたらしい。責任を現場になすりつけ、彼らに、なぜ負けるに至ったか、敗因をきちんと聴取して今後の作戦に生かそうということをせず、殺してしまった。
太平洋戦争前に、すでに補給路なしの作戦は勝ち目が薄いとわかっていたのに、教訓を生かさずアメリカとの戦争に突入。無茶な戦争だったということのあかしを、またひとつ、知りました。
ところで、辻政信は戦後も生き延びます。戦犯にならずにすんだのは、南方で終戦を知った直後、逃亡したから。サンフランシスコ条約締結直前に帰国したものの、逮捕されることなくすみました。その後、南方で潜伏していた時の経験を本にしてベストセラーに。そして政界入り。衆議院議員に当選します。のちに彼は視察?先のラオスで行方不明になったとのことです。
日本では、戦中に軍部や政界の中心にいた権力者たちがそのまま戦後も中枢にいすわり、実権を握りつづけたケースは少なからずあったようですが、辻もその末端にいたのだなと知りました。暗澹たる気持ちが晴れないまま、しとしと降る雨を眺めています。