タイトルは、「ワイン業界」といった意味らしい。モンドヴィーノ - Wikipedia
多国籍企業が世界の経済を席巻する中、ワインもその波にのまれているということを思い知らされた映画です。
映画は、フランスの小さなワイン農家の映像から始まります。小規模だけれど質のいい葡萄を代々育てて、小さな醸造所で大切に発酵を見守りながら作っているワイン。映画や小説、テレビで見聞きしているおなじみの葡萄園やワイン農家です。
画面が一転して、登場するのは車に乗った曰くありげな男。車の中でも忙しそうに電話での応対をし続け、あいまに運転手にいろいろ命令しています。彼は、世界中のワイン業界で知られている男性で、カリフォルニアワインともかかわりがあります。
彼はフランスだったかイタリアだったかの小規模のワイン醸造所に出向き、試飲したのち、何かを加えるよう、その醸造所のスタッフに耳打ちします。監督?が問いただすと、「いや、ちょっとしたものをいれるだけで、いい味になるのでね」と言って、笑うだけ。何を入れろと指示したか、明かしません。怪しい。そこの農園主(貴族らしい。だとしたらイタリアかも)は、「私たちには何もわからないから」と笑いながら親し気にこの男性とおしゃべりしていました。
ほかにも、カリフォルニアワインの大きなメーカーの社主など、今や世界を動かすワイン業界のボス的存在らしい人たちが登場します。「ワインの味が一律になった」と映画に登場する誰かだったかナレーションが、こう嘆いていました。
一方大会社の工場が進出するのを、村を挙げて反対した葡萄生産地も紹介。彼らの葡萄づくり、ワインづくりに対する熱意は、昔から変わらないものなのでしょう。先述した貴族の農園主とは大きく異なる態度でした。
昔、ワインといえばごくたまに明治屋に行って、特別に購入するぜいたく品だったのですが、ある時期から、別に意気込まなくても買える値段のワインが手に入るようになりました。輸入品が安く手に入るようになったからとばかり思っていましたが、それもグローバル化の波に乗ってのものなのでしょうか。
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