晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

『植物一日一題』

2008年09月02日 | 
『まっくら、奇妙にしずか』と一緒に牧野富太郎の『植物一日一題』(ちくま学芸文庫)も購入。牧野によるガマズミの絵がいけてる一冊です。



うちでは、牧野富太郎のことを“とみちゃん”と呼んで親しんでいる(失礼か)。もう7、8年前のことだが、たまたま高知の牧野植物園に行ってから夫婦でファンになったのだ。http://www.makino.or.jp/

とにかくセンスいい建築で、ミュージアムショップのレベルもすごく高くて、Tシャツも買ったし、メモパッドも買ったし、さんざん散財した記憶がある。もちろん牧野博士の魅力もある

で、この本。牧野が一日に一題の文章を書くことを自らに課し、それを100日間続けたものをまとめたものだという。見つけたときは、これはみっけもんだとホクホクした。

でも、読み始めて、ちょっとしんどいことが判明。なんかこう、、、説教くさいのだ。一題目がジャガイモと馬鈴薯はちがうものだという話で、こういう勘違いはまったく話にならん!という感じ。

解説の大場秀章氏によるとこのようなものを「名実考」というのだそうだ。つまり、「一般にそう呼ばれているものが実際どうなんだ…」ということを検証するもののようだ。

中国の影響下にある日本では、日本の植物に中国名を当てたり、当時の中国の図鑑から同種だと判断したりして、それが間違っていて、それがいつのまにか定着してしまうことを検証しているのだ。

それがどうも、「まったく世の中、馬鹿でどうしようもない…」みたいな雰囲気があって、読んでいてつらいのだ。執筆当時、牧野はじつに84歳。ま、じいさんのお小言、と思えばそれもありか。

確かに、今でも馬鈴薯はジャガイモだし、それが本当はどうなのかは別として、ちょっとしたうんちくにはなっていて、勉強になるし、おもしろい。まぁ、書き方の問題なのかな。おもしろそうなところを拾い読みをする感じで読むか、、、という方向で。