『誘拐』
2008年09月09日 | 本
『誘拐』(本田靖春著/ちくま文庫)を読む。戦後ノンフィクションの名著と言われるものだ。
学生時代、ノンフィクション作家を夢見て、柳田邦男や鎌田慧、足立倫行、本多勝一、もちろん本田靖春らを一生懸命読んでいたことを思い出す。そのころはいろいろ読んでいたが、どういうわけかこの『誘拐』は読んでいなかった。
ノンフィクションらしいノンフィクションで、重厚でディテールがつまった一冊だ。昭和30年代末から40年代前半の話。今となっては大昔の話のようで、でも、実際わたしの生まれが昭和42年だから、じつは重なっている時代でもある。
幼児誘拐事件の顛末を追ったノンフィクション。戦後が終わっているような、終わっていないような、高度経済成長期の裏側というか、影の話だ。
どうして一見関係のないようなことにここまで取材をして細部を積み重ねていくのか? その時間、コストは無駄だろう!? そう思ってしまうほどのディテール。
しかし、そのディテールに魂が宿り、すべてのことに歴史性や時代性があること明確に伝えてくれる。単なる事実の積み重ねではない、ノンフィクション作品。ほんとうに圧倒される。
仕事上、ジャーナリストの真似事をしたことはあったが、この本を読んで今一度、ディテールから時代を切り取り、見つめることのチカラや意味を感じた。
なにか今からでもできることはあるか、そんなことを夢想してしまった。
学生時代、ノンフィクション作家を夢見て、柳田邦男や鎌田慧、足立倫行、本多勝一、もちろん本田靖春らを一生懸命読んでいたことを思い出す。そのころはいろいろ読んでいたが、どういうわけかこの『誘拐』は読んでいなかった。
ノンフィクションらしいノンフィクションで、重厚でディテールがつまった一冊だ。昭和30年代末から40年代前半の話。今となっては大昔の話のようで、でも、実際わたしの生まれが昭和42年だから、じつは重なっている時代でもある。
幼児誘拐事件の顛末を追ったノンフィクション。戦後が終わっているような、終わっていないような、高度経済成長期の裏側というか、影の話だ。
どうして一見関係のないようなことにここまで取材をして細部を積み重ねていくのか? その時間、コストは無駄だろう!? そう思ってしまうほどのディテール。
しかし、そのディテールに魂が宿り、すべてのことに歴史性や時代性があること明確に伝えてくれる。単なる事実の積み重ねではない、ノンフィクション作品。ほんとうに圧倒される。
仕事上、ジャーナリストの真似事をしたことはあったが、この本を読んで今一度、ディテールから時代を切り取り、見つめることのチカラや意味を感じた。
なにか今からでもできることはあるか、そんなことを夢想してしまった。