晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

我孫子市鳥の博物館で頭骨を調べる その3

2012年10月15日 | 生き物
グラフ化することで、なんとなく見えた感じもしますが、
もうちょっとなにかないかと思って観察しました。

まぁ、正直、よく似ているんです。大切な標本なので、あまりひっくり返したりできないので、
とにかく頭骨とじーっと見ました。

鼻孔の大きさがちがうかな?


シロハラ


アカハラ


ツグミ


お宝。

で、測ろうと思ったのですが、さすがに鼻腔の内径を測るにはノギスでは無理があって、
しょうがないのでくちばしのアップの写真を撮って、家で画像から推測しました。



画像に定規を当ててくちばし全長と鼻孔の長さを測り、比率を出して、
もともと測ったデータから換算します。



お宝は家でデバイダを使って測りました。

で、グラフにしてみました(好きだなあ)。



くちばしの長さ(LB)と鼻孔の長さ(LN←適当)の散布図です。
ほほう。ツグミとシロハラは分かれたね(本来の目的からずれてる…)。

ま、いずれにしてもお宝はシロハラとかアカハラ、ツグミじゃない…のかな?

じゃあ、いったいなにかというと…。
帰り際に学芸員の方から恐れていた可能性が告げられます。

(つづく)

あれ? くちばしの画像を見ていて、くちばしの高さの方がちがいがあるかな?
お宝のは、くちばしが厚い?? 再計測、再グラフか!?
いや、まぁ、現状、今のグラフでうまく分かれてるからいいじゃん…ってことで。

我孫子市鳥の博物館で頭骨を調べる その2

2012年10月15日 | 生き物
さて、そういうことで標本の計測を始めます。
学芸員の方と話していて、「やっぱり基本は頭骨の全長とくちばしの長さですね」。
ということになり、ノギスで計測しました。


シロハラ1/雌/沖縄県石垣市/NO.03803


シロハラ2/雌/沖縄県西表島/NO.02201


シロハラ3/雌/不明/番号なし


シロハラ4/雄/千葉県松戸市/NO.02333


シロハラ5/雄/千葉県我孫子市/NO.03628

つづいて、アカハラを測ります。
1個体だけです。


アカハラ/雄/千葉県銚子市/NO.03809

つづいて、ツグミの2個体です。


ツグミ1/雄/福島県白河市/NO.03118


ツグミ2/不明/千葉県柏市/番号なし

これらをノギスで測りましたが、なかなか難しかったのですね。

頭骨の全長(TL)を測るときの後頭部の場所がなかなか決まらないのです。
後頭部には、骨格標本の押さえの針金があって、場合によって接着剤のようなものが塗られていたり、
頭骨のふくらみがどうなっているかわからなくて、どこか一番後ろなのか判断しくいのです。

何度測っても数値がずれるので、横からとか上からとかいろいろ試して測りつつ、
計4回以上は計測しました。

くちばしの長さ(LB)は、学芸員の方に聞いたくちばしの付け根の「ヒンジ」が
けっこうはっきりしているのでわりと簡単でした。

帰りがけに再び学芸員の方と話したら「だいたい計測にはデバイダを使ってますね…」とのこと。
た、たしかにそっちの方が良かったかも…。せっかくノギスを買ったのに…。

ちなみに「オスとメスのちがいはあまり意識しなくてもいいと思います」とも。

計測値を表にするとこんな感じです。
Skull ratio は参考にしているサイトBird skull collectionで使われている指標です。



これをグラフにするとこんな感じです。
単純にTLとLBのグラフです。



サンプル(n)はそれぞれ10ぐらいは欲しいですね。。。
とにかくお宝はとにかく小さいことだけは確かですね。

Skull Ratio をみると以下の通り。

シロハラ 2.18~2.23 (n=5)
アカハラ 2.12 (n=1)
ツグミ  2.23~2.32 (n=2)
お宝   2.25

絶対的にnが少ないので、何とも言えませんが、まぁちがような感じもしなくはありません……。

おっと、Bird skull collection にあったマミチャジナイのデータを入れるのを忘れた!



うーむ、SRも2.47か…。
学芸員の方も「マミチャジナイはひとまわり小さいから…」とおっしゃっていた…ような気がします。

さて…形とかはどうでしょうか?
どこかにちがいはないでしょうか?

(つづく)