「ワレこそ、どこ停めとんじゃ~!!」
夜の関西空港に怒声が響きました。
宝塚の植木の町、丸橋の皆様の5年に一度の旅行。
今回はじめて銀のステッキをご利用いただき、
3日間の北海道旅行にご一緒してまいりました。
44名もの参加者は、ほとんどが初めてご一緒する方々。
しかも皆さん、穏やかな紳士淑女とお見受けしました。
わずか3日間のことです。
素行がばれていないのをいいことに、こちらも
「感じのいい、そして上品な添乗員」(自分で言います)の仮面を、
きっちりつけて過ごしました。
無事、知床や網走を巡り、女満別空港で北海道とお別れして降り立った夜の関西空港。
あとはチャーターしたバスに乗り込んで、一緒に丸橋まで帰るのみでしたが…。
私たちを迎えにきてくれたバスは、停車スペースがなく立ち往生。
というのもバス乗降所では、前方に大きくスペースを残してマイクロバスが停まっていたのです。
もっと詰めてくれれば、あと1台ぐらい入れるのに…。
やむなく道路の脇に寄せてバスを停めてもらい、
大あわてで、44名のお客さまとともに乗り込みました。
人数確認もして、ほっと一息、
マイクを持って、「それでは出発します」とアナウンス。
バスが動き出し、例のマイクロバスの横を通過する際に、
うちのドライバーさん、ひとことかまさずにはおれなかったのでしょう、
窓をあけて、こう言ったのです。
「なぁ、オッちゃん、もうちょっと前いってくれんと困るで~」
しごくまっとうな「注意喚起」でしたが…
――相手の運ちゃんは腕を振りまわし、激昂しました。
で、冒頭の、「何ぬかすねん! ワレこそ、どこ停めとんじゃ~!!」 です。
思わぬ怒声に、凍りつく車内。
こういうとき私はキョトンとし、次にぷっと吹き出しそうになります。
あかん、あかん、と心のどこかで声がしましたが、つい地が出ました。
「皆さん、大阪に帰ってきましたね~」
お客さまから、笑いが起こりました。
調子にのって、「なんかホームに帰ってきた気がします~」と付け加えると、
それを受けて、幹事さま。
「おう、文句あったら引きずり出してやれぃ! こっちは網走帰りじゃ~!!」
車内、やんやの拍手。
あれれ、紳士淑女と思っていたけれど…?
どんな恋も3年で冷めるというけれど、
どんな仮面も、どうやら3日が限度のようです。
楽しい3日間でしたが、今度はお互い仮面を外してご一緒できますように。
きっと、もっと何倍も楽しくなりそうです。
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