空也の足跡を訪ね歩いておられた白洲正子さんも
月輪寺に詣でられたと記録が残っています
(十一面観音巡礼『市の聖』)
月輪寺(つきのわでら)への道は、京都の西北にそびえる
愛宕山へお参りする道でもあります
~伊勢へ七たび 熊野へ三たび 愛宕まいりは月まいり~
愛宕山は太古から信仰された神山で、
東の比叡山に対し、都の西北を守る鎮護の山
月参り、と言われても、、、往復5時間の登山!
これは、付近の住民の方たちもさぞ大変でしょう・・
そんなことをチラチラ思いながら、私は月輪寺へと向かいました
嵐山から路線バスで清滝へ
バスを降りて歩くこと40分
(ツアーでは、ここまでタクシーで入ります)
空也滝へ到着
木立に囲まれた道は密やかに静まり、滝から落ちる水がつくる渓流は力強く、
心身ともに洗われるような気持ちよさ
どこから見ても神々しい
前鬼と後鬼を従えた役行者も鎮座し、綺麗に清掃された空間は、
今も山伏の行場として大切にされていることがうかがわれます
空也滝に一礼し、目指すは月輪寺
登山道は荒れており、はっきり言って、しんどい!
九十九折れの階段が続き、1時間ほど歩いた頃、ようやく視界が開けてきました
(「若者←左へ 一般→右へ」 一瞬迷いましたが、左へ!)
いかにも山あいのお寺といった、質素なお堂
傷みも激しく、人気も感じなかったのですが、
しばらくすると奥から尼僧のご住職様が出てこられました
「大変なところを、ようお参りくださいました、さあさあ、
座る場所もないですけれど、そこの縁側に腰掛けて」
先代の住職様(現住職のお母様)が来るまでは、
人も住まない荒れ果てたお寺だったのを、
私財をなげうち、再興し、宝物館を建て、
他所に預けてあった仏像も迎え入れたそうです
今は副住職様と二人で、
冬は零下17℃になるこの地に住まわれて、檀家のない寺を守っておられます
数年前にやっと電気と電話が通ったそうですが、
生活用水は龍奇水(空也上人が清滝川の龍神から
授かったといわれる崖下からの湧き水の霊水)だそう
生活物資は、週に一度、30kg 歩荷で担ぎ上げているそうです
以前は、修繕や維持にさまざまな協力をしてくれる方もいらしたが、
昨今は全く‥行政に訴えてもどうにもならない‥
本堂の雨漏や損傷が激しくて‥と嘆いておられました
こちらのお寺には国の重要文化財である仏像が八体もおさめられています
白洲正子さんも、この地を訪れ、十一面観音、そして阿弥陀如来を
ご覧になられ、「やはり仏像はこういうところで拝観するに限ると思った」
そうしみじみとおっしゃられたそう
何とかひとりでも多くの人がこの事実を知るために
月輪寺を参拝してほしい、そう願わずにはおられませんでした
さて、せっかくなので、そのまま愛宕山へ登り、参拝
月輪寺への道は、ほとんど誰にもあわなかったのに、
愛宕山ルートへ来ると、老若男女ハイカーがわんさか登ってきます
この人たちが月輪寺へも参拝してくれたらな~
階段を上りつめた先が愛宕神社
さらに、東海自然歩道を歩き、高雄へ(3km)
そして本日の〆は高山寺
鳥獣戯画(複製)と伝運慶作の狗児(複製)をじっくり見て
(これはツアーには全然関係ありませんが!)
本日の下見山行終了!
当日は、愛宕山と高雄へは詣りません
空也滝から月輪寺の往復です
(歩行時間の目安は、片道 年齢+10分)
誰でもが行ける寺ではありませんが、
ひとりでも多くの方に訪ねてほしい場所です
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