今話題になっている吉村順三氏の建築展を見る機会があった。
彼の設計のポリシーは「建築物は人がそこに住んで完成する。」というものである。彼の設計には派手さはない。だから写真でみるだけではなんの変哲もない地味な建造物にしかみえない。しかし、そこで過ごす人々の快適さを真摯に考え、誠意溢れる仕事を残している。また、建築だけでなく、世の中の全てに通ずる含蓄ある名言を数々残しているのもとても印象深かった。その中でも心に残ったのが「簡素にして品格のある家」という言葉だ。
これは目立たない所に気を配りつつ、その気遣いが表にでないようにし、人々が心からくつろぎ、豊かな気持ちになれる家を指すのだと思う。これは、私達の目指す宿のポリシーをも表してくれている。
見かけの豪華さや派手さ、「○○がウリ」などという一過性のブームにとらわれず、「簡素にして品格のある宿」でありたいものである。
安曇野の楽園から
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