NJWindow(J)

モルモニズムの情報源、主要な主題を扱うサイト。目次を最新月1日に置きます。カテゴリー、本ブログ左下の検索も利用ください。

2008年サンストーンシンポジウムに出席して (1)

2008-08-26 18:24:05 | モルモン教関連
2008年サンストーンシンポジウムに出席して(1)

8月6日から9日までソルトレークシティで開かれたサンストー
ンシンポジウムに出席した。おもむきは多少異なるけれども、モ
ルモン歴史学会やこの会に参加するといつも興味あるテーマや活
字上よく知っている著者・人士が目白押しといった感じで、私は
まるでたくさんの美味しいご馳走を前にした少年のような気分に
なる。以下出席した一部について記す。

ワークショップ「信仰者の四つのタイプ」
 初日はワークショップがあってスーザン・D・スクーワ女史の
「信仰者の四つのタイプ」に出席した。このクラスを選んだのは
講師が「キリストの共同体」(Community of Christ.もと復元教
会)の女性の十二使徒であったからである。信仰者の四つのタイ
プは1.律儀な思考型、2.クリスチャンの60%を占める感性型、
3.瞑想を重んじる神秘型、そして4.変革を目指す行動型であると
いう。参加者は十の質問に正直に答えるよう求められ、各自がど
の型に近いか試された。私は四つの型の要素を均等に持っている
ことになり、当惑したが講師は注目し珍しいと言ってくれた。今
日若い世代は2と4に集中し、1と3は少ない、と女史は自らの調査
に基づいて語った。長身で笑顔を絶やさない、知的で魅力的な講
師であった。

「モルモンと十字架」
 発表者のロバート・A・リーズはもう年期の入ったベテランで
あるが、常に洞察に富んだ発表をする。末日聖徒はキリストの贖
罪をもっぱらゲツセマネにおけるイエスの苦悶と祈りに帰するが、
十字架上の死の意義を退けることはできない、むしろそれによっ
て贖いが完成されるのであり、象徴としての十字架も見直すべき
ではないか、と語った。十字架については、如才なく(diplomat-
icに)受け入れることが可能ではないか、という。イエスは十字
架上で「見なさい、あなたの子です」「見なさい、これはあなた
の母です」と言われたが、東欧のクリスチャンは十字架を見る度
に誰が自分の子であり、母であるか自問する。このことを現地で
聞かされ、リーズ氏は自分たちが何か大事なものを失っていたよ
うに思え愕然とした、と述べた。十字架に先行するイエスの準備
と苦悶は重要な過程であるが、あくまで十字架上の死が決定的な
意味を持つことは、前にサンストーン誌で女性の著者が指摘して
いたが、私も以前から感じていたことである。

「黒人モルモン教徒の知られざる物語」(映画 原題Nobody Knows:
The Untold Story of Black Mormons )
 初期のアフリカ系アメリカ人の改宗者、神権と神殿の儀式が禁
制になっていた時期の苦難、禁制が解かれた後も差別がくすぶり
続けたことなどがノンフィクションの形で90分にわたって上映
された。制作は20年以上ジェネシスグループを主宰したダリウ
ス・グレーとBYUのマーガレット・ブレア・ヤングで、200人
が鑑賞した。今はずっと状況が改善されたとはいえ、いまだに差
別・偏見があるのが残念に思われた。私は画面にしばしば心を動
かされ、何度も涙が頬を伝わるのをとめることができなかった。
 帰途オレゴン州で訪ねた知人は、博士号を得たアフリカ出身の
教会員がユタ州でまっとうな就職ができない矛盾を語っていた。

[「モルモンと十字架」関連の記事 2006/8/26「十字架のアクセサ
リーに思う」]

-続く-


最新の画像もっと見る

コメントを投稿